積み重ねでブロードウェイがある

斉藤さんは、この時の春馬さんへの連絡で、心身をフォローするメッセージも伝えた。

「ドラマの撮影中とはいえ、秋のライブイベントに向けた準備を絶やさずに、注意深く歌の仕事も視野に入れてやっていこうと伝えました。そうした積み重ねで、夢のブロードウェイがあるし、体調管理のやり方を作っていこうねって。

春馬くんとは、踊りながら歌うための体作りとして、骨盤底筋のバランスを取るレッスンを続けていました。最後のやりとりで、そのウォーミングアップの映像も送りました。

昨年7月7日の夜に、『Mステに提出するフォーメーションビデオを撮るから、試しにやってみます』という返事を、春馬くんからもらっていました」

歌手を勧めた理由

春馬さんは、ドラマや映画・舞台に出演するほか、NHKの人気番組「せかほし」のMCも務め、多忙を極めた。そんな中、斉藤さんは、俳優としての声の使い方を指導するだけでなく、歌手活動を後押しした。

「春馬くんに、ずっと歌手活動を勧めていました。本人は、自分が歌手になれるとは、全く思っていなかったようです。私は、俳優と歌手は、同じ基礎知識が必要で、区別がないと思います。魅力ある歌声の春馬くんには、歌手活動もしてほしかった。ミュージカル俳優を続けていく上で、ブロードウェイを目指すなら、それが暮らしの基盤になったらいいなと。

ニューヨークの中心部で生活すると家賃は東京の3倍、ワンルームで30万円ぐらいかかります。現地に住むアーティストは、ルームシェアをしたり、いろいろ工夫して生きています。それに、歳をとってからも、歌があれば、ファンミーティングを開ける。冗談で、そんな話もしました」

2015年、『進撃の巨人』ワールドプレミアでファンにこたえる春馬さん Photo by Getty Images