2021.07.26
# 本 # エンタメ

ヒャダイン×児玉雨子「アイドルも作品も“一つの物差し”で測っちゃいけない」

最前線のクリエイターが見ているもの
現代ビジネス編集部

H:小説だからできることとできないことがあって、音楽だからできることとできないことがあるわけですな。

K:制約やテクニックとは別に、使う言葉を分けているところはありそうです。歌詞を書くときは、(アンパンマンに出てくる)ロールパンナちゃん通常モードみたいなピュアハートが働くんですけど(笑)、実際の生活の中では、世の中への絶望じゃなくて諦めがずっとあるから、世界を薄目で見ているような冷やーっとしたテンションも表現したかった。

H:小説、冷やーっとしてたねえ。僕も「夢なんかくだらない/仲間なんかしょうもない」って曲を書いちゃったけど。

K:「でんぱ組.inc」の曲ですね。「でんぱ組.inc」が歌うからいい、むしろ勇気づけられる。歌詞の場合は誰が言うか、歌うかで意味合いがまるきり変わりますもんね。

 

「適度な他人」という連帯

K:「仲間なんかしょうもない」と書けるヒャダさんは、実際、一人で生きるのがうまいですよね。

H:一人がいいなと思ってる時には、自分の機嫌がよくなることをしますね。

K:旅に出たりワインを飲んだり。一人で南米に飛んでいっちゃう人あんまりいないと思います。

H:高山病と下痢で、マチュピチュ全然楽しくなかったけどね(笑)。紅白観ながら寝てましたもん。それはともかく、僕の場合は一人になれないと息ができなくなっちゃうんですよ。

K:そうか。私は、「仲間なんかしょうもない」って思っているのに、誰にも自分の人生に介入して欲しくないのに一人じゃいられない。お酒にも弱いし(笑)。それがずっとしんどくて、小説のテーマの一つにしたんです。「絆」とか「仲間」に嫌悪感を抱いていてもヒャダさんみたいに南米には行けない。だけど、「適度な他人」という連帯もあるよ、こういう人の繋がりもあるよ、という思いが読んでくれる人たちに伝わったら嬉しいです。

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