提供:セブン&アイ・ホールディングス

環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を掲げるセブン&アイグループはさまざまな目標のひとつとして、食品ロス・食品リサイクル対策に取り組んでいます。生産者や消費者と一緒に、未来をつくる取り組みをレポートします。

イトーヨーカドーで、デニーズで。
食品を捨てないための
プロジェクトが始まっています。

セブンファームに学ぶ
食を無駄にしない流通。

千葉県富里市にあるセブンファーム富里で採れたニンジン。曲がっていたり、小ぶりだったりするが、「規格外品」「理由(ワケ)あり品」として売り場に並ぶ。

さんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びて、今年2月に種まきをしたニンジンが食べごろを迎えていた。畑があるのは千葉県富里市。セブン&アイグループが直営する農場「セブンファーム富里」で育ったニンジンだ。

セブンファームは現在、全国に13拠点。富里はその第1号として2008年に誕生した。

「直営農場を立ち上げた理由は、日本の農業を元気にしたい。その過程で食品ロスを少しでも減らしたいという思いです」

そう話すのはイトーヨーカドーでセブンファームを担当している久留原昌彦さん。07年に改正された食品リサイクル法で、食品小売業に対して、12年までにリサイクル率を45%に引き上げる目標が設定されたことを機に、以前から課題になっていた店舗の食品残渣を再利用するシステムを考えることになった。

「私たちは環境循環型農業と呼んでいます。まず、地域の畑で育った野菜を地元の店舗に卸す。そして、店舗を営業する中でどうしても出てしまう、キャベツの外側の葉や大根の葉っぱといった食品残渣を、堆肥場に引き取ってもらって堆肥にする。できた堆肥はセブンファームの畑に戻して、安全・安心な野菜づくりに生かす。こうして生産者と小売業が密にやり取りをすることで、限りある資源が循環する、新しい農業のカタチが出来上がりました」

この環境循環型農業を久留原さんと共に実現させたのが、富里で長年農家を営んできた津田博明さんだ。セブンファーム富里は、イトーヨーカドーと富里市農業協同組合、津田さんが共同出資して立ち上げている。

「普通のことをしているだけなんですけどね」

環境循環型農業について聞くとあっけらかんと答える津田さん。

「08年といったら、SDGsという言葉が生まれる前でしょう。堆肥を作って畑に撒くのは私の先代もやっていたことで、特別すごいわけじゃない。今また、昔は当たり前だった姿勢に戻ってきただけだと思いますよ」

規格外ニンジンの一部はドレッシングに。商品開発にも力を入れている。

そうはいっても、流通における効率化を求められる現代では、こうした循環システムを構築するのは容易ではない。さらにセブンファームでは、サイズや形が流通の規格から外れる“規格外野菜”も廃棄せずに店頭に届けている。

「ある時、流通からはじかれている小さなニンジンを見て、もったいない、どうにか売りたいと思ったんです」と久留原さん。試しに売り場に出すとお客様から意外な声が。

「小さいから一人暮らしでも使い切れる、付け合わせを作るときにちょうどいい、と喜んでもらえたんですね。さらに、こうしたニンジンからドレッシングを作るなど、規格外野菜の活用の幅はどんどん広がっています」

現在も日本各地の畑で、出荷されずに廃棄されている規格外野菜。だが、小さいことや曲がっていることは、味に何ら影響はない。

「品質とは何だ? って話ですよ」と津田さん。

「人間だって、大きいのから小さいのまでいろいろいる。野菜だって自然のものなんだから、あるがままを味わえばいいわけです」

食品ロス・食品リサイクル対策としてセブン&アイグループが掲げる環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の目標は、食品リサイクル率を30年に70%、50年に100%にすること。さらに食品廃棄物量を13年度と比較して30年に50%削減、50年に75%削減することを目指す。活動はセブンファームにとどまらず、ファミリーレストランのデニーズでは、環境省と取り組む、食べ残し用の持ち帰りボックス「mottECO(モッテコ)」の提供が始まり、食品廃棄量の削減に貢献している。セブン&アイグループ全体の売り上げのうち、食品が占めるのは約6割。だからこそ、効果は大きく、環境問題にも大きくコミットできるのだ。

食品残渣を肥料に! 
全国のセブンファームで環境循環型農業を実践。

全国に13の拠点があるセブンファームで実践されているのは環境循環型農業。キャベツや大根の葉など、売り場からどうしても出てしまう食品残渣を堆肥場に送り、そこで良質な堆肥を作り、畑に戻して、おいしく安全な野菜作りをしている。地域の生産者と小売業が密にコミュニケーションを取ることで実現できたシステム。小売業は食品廃棄量が減り、残渣を引き取る堆肥場は、作られた堆肥を受け入れてくれる畑が見つかり、畑は質が高く安全な堆肥が手に入るという幸せな循環が生まれている。

規格外として廃棄されがちな野菜を生かして、
ドレッシングや漬物を開発。

サイズや形が規格基準から外れており、通常では出荷できないとされる規格外野菜。これらの野菜をイトーヨーカドーなどの店頭で販売するほか、ドレッシングや漬物などの製品の一部にも活用している。人気の「にんじん《すりおろし》ドレッシング」と「だいこん《すりおろし》ノンオイルドレッシング」は、それぞれの野菜を食感豊かにすりおろし、濃厚なドレッシングに仕上げたもの。今夏には新商品として「たまねぎ《すりおろし》ドレッシング」が登場するなど、セブンファームで育てた野菜を無駄なく活用するオリジナル製品を次々と開発している。

デニーズが環境省と始めた
食べ残しを持ち帰るプロジェクト「mottECO」。

ファミリーレストランのデニーズは、食べきれなかった料理を消費者の責任で持ち帰れる植物由来のお持ち帰り専用容器を東京都内34店舗で導入。環境省の食品ロス削減活動「mottECO」の導入モデル事業として採択された。デニーズでは以前からフードロス削減に力を入れ、直近5年間で20%以上の食品廃棄量を削減してきた。今回のプロジェクトはそれを推し進めるもの。注文した料理が食べきれなかったら、店員さんにお持ち帰り容器をリクエスト。食べ残しを消費者自らが詰める仕組みだ。カナダなどでは当たり前となっている食べ残しの持ち帰り文化が日本にも根づくきっかけとなりそうだ。

家庭で食べきれない未使用食品を
店頭のフードドライブBOXで回収、
フードバンクや福祉施設へ。

イトーヨーカドーで取り組みが進む「フードドライブ活動」。これは、未開封のお菓子や缶詰、飲み物など、まだ食べられるのに、家庭では使い切れない未使用食品を、店舗に設置しているボックスに寄付してもらい、それらをまとめてフードバンク団体や地域の福祉施設・団体などに寄贈するもの。もったいないという気持ちを、誰かのありがとうにつなげる、食品ロス対策と社会貢献が同時に叶う取り組みだ。現在は、東京・神奈川・埼玉の32店舗の店頭にフードドライブBOXが設置されている。


【お問い合わせ】
セブン&アイ・ホールディングス
☎03-6238-3000


●情報は、FRaU2021年8月号発売時点のものです。
※本記事で紹介している商品の価格は一部を除き消費税を含んだ金額です。なお一部の商品については税込価格かどうか不明のものもございますのでご了承ください。
Photo:Yoichi Onoda Styling:Mariko Nakazato Illustration:Shapre Text & Edit:Yuka Uchida