川口(KAWAGUCHI)さんとエミリ(EMILY)さんによるフォークデュオの『HONEBONE』。前回、幼い頃からずっと悩んできた「気にしいな性格」(最近では「繊細さん」「HSP(ハイリーセンシティブパーソン)」と呼ばれることがある)な性格と、その生きづらさについて寄稿してもらった。

SNSには、
「自分も気にしいで、いろんなことが気になって行きにくさを抱えている。エミリさんも同じような悩みを抱えていると知って励まされた」
「幼い頃から、神経質、自分勝手、面倒くさい人と言われてきたけど、そういう人がいることをもっと知ってほしい」
「人が常に気になり疲れてしまう自分はおかしいのか思っていたけど安心した」

といった共感の声がたくさん集まった。

今回は、そんな「気にしい」で神経質なエミリさんが、人生初、映画『リスタート』に出演することになった。しかもなんと主役!! 新しいことに挑戦するのに、人よりもちょっと勇気がいるエミリさんが主演女優として作品を完成させるまでの気持ちを寄稿してもらった。

映画『リスタート」より© 吉本興業

アドリブが強そうに見えて実はめちゃくちゃ苦手

私はHSPだ。人前に出る仕事をしているにもかかわず、些細なことで傷つくので、プライベートでは目立つことを嫌い、誰にも触れられたくなくてヒソヒソと生きている。

前回、私もこのHSPという気質というか特性について幼い頃から感じていた思いを吐き出してみたところ、ものすごく反響をいただいた。友人たちからわざわざ連絡が来て「すごく共感したよ! めっちゃ楽になった!」といわれたり、「なかなか理解してもらえないことを、こうして言葉にしてくれると助かる」といった嬉しい反応をもいただいた。私と同じくHSP傾向がある父(私は父から遺伝したのか!?)も、SNSの反響を聞き「こんなにもたくさんの人が!? みんな気にしてんだな~」などとぼやいていた。

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今回は、もう少し違った角度から私の繊細ポイントについて話してみたい。

たぶん、これもHSPの性質なんだと思うが、私は「変化」を好まない。例えば、好きな飲食店を見つけたら同じところにとことん通い、なかなか新規開拓をしない。新しい店に行って「日本語うまいねえ」と言われるのも嫌だし……(ちなみに私の母親はアメリカ人だが、私は日本で育っているので私の母国語は日本語だ)。テレビなどに出演すると、ひょうきんなキャラを全面に出すことが多いのでアドリブに強いと思われがちだが、実はアドリブにはめっぽう弱い。予期せぬ事態に見舞われることをものすごく嫌う。環境の変化をできるだけ避けたいのだ。

本業である音楽活動でも、この面倒な性格が大いに邪魔をしてくる。たとえば、「セッションしようよ!」と他のミュージシャンから持ちかけられたりすると、もう大変…!!「セッション」というのは、ミュージシャンが即興で相手のノリに合わせて音を奏で合ったり、歌を適当に合わせて歌ったりする行為のことをいう。私は音楽活動をかれこれ15年ほどやってはいるものの、実は楽譜が読めない。さらに、気にしいな性格だ。よく知っている人ならまだしも、ノリでと一緒に音を奏でるなんて無理なのである。なんでも事前に準備して、決められたことを完璧ににやらないと不安になってしまうのだ。

見た目がアメリカ寄りのハーフということもあり、ノリが良いように思われたりするし、外からはアドリブのように見えるパフォーマンスもあるかもしれないが、大抵のことは全て事前に準備をして臨んでいるのだ。それはプロ意識というよりは、予想不可能なことが苦手で、単に自分が失敗して恥をかくのが怖いからだ。