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相対性理論のきっかけ「局所時間」という発想、ヘンドリック・ローレンツの偉大な業績

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

ゼーマン効果の理論的解明、局所時間の導入

1853年のこの日(7月18日)、「ローレンツ力」や「ローレンツ変換」にその名を残す理論物理学者のヘンドリック・ローレンツ(Hendrik Antoon Lorentz, 1853-1928)がオランダで誕生しました。

 

1953年にオランダのアンヘルムにまれたローレンツは、オランダ最古の大学であるライデン大学で物理学を学びました。

『光の反射と屈折の理論について』という論文で博士号を獲得したローレンツはその後、24歳の若さで同大学に新設された理論物理学教授となりました。

ヘンドリック・ローレンツ(Hendrik Antoon Lorentz)photo by GettyImages

電磁気学において特に顕著な業績を残しているローレンツですが、彼の代表的な研究としてあげられるのは、彼がノーベル賞を受賞するきっかけとなった「ゼーマン効果」の発見でしょう。

ゼーマン効果は「原子を磁場の中に置いた場合、原子から放出される電磁波のスペクトルが分裂する」という現象で、その名は1896年にナトリウムスペクトルでこの現象を発見したピーター・ゼーマンにちなんでいます。

ゼーマンはローレンツのかつての教え子であり、ゼーマン効果はローレンツが考えていた「原子中には微小な荷電粒子が存在する」という説の強い証拠になったのです。もちろんこの「微小な荷電粒子」とはのちに発見される電子のことです。

また、ローレンツは相対的に移動する座標系の間での電磁現象を表す方法として、ローレンツ変換を提唱しています。ここでは、座標系によって異なる「局所時間」という概念が導入されており、これがアインシュタインの特殊相対性理論へとつながったのです。

余談ですが、日本語で「ローレンツ」と表記される物理学者はヘンドリック・ローレンツの他にも「ローレンツ・ゲージ」に名を残すルードヴィヒ・ローレンツ(Ludvig Valentin Lorenz, 1829-1891)がいます。ただし、ローレンツのスペルは若干違います(LorentzとLorenz)。この二人はともに電磁気学で業績を残しており、二人の名前が付いた「ローレンツ・ローレンツの式」という公式も知られています。

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