ついに決定! 第37回講談社科学出版賞受賞作は『脳を司る「脳」』

いま、「ニューロン以外の脳」が注目される理由
毛内 拡 プロフィール

もう一つの「脳」の正体とは

脳が生きているとはどういうことか——これが本書のメインテーマです。

脳は、体内の他の環境と隔絶しており、過剰なほどの高待遇で守られる特殊な臓器です。さらに脳の最大の特徴は、電気的な活動をおこなう点にあります。脳の中で電気的な活動をしているニューロンが回路を作って相互作用をしているというのが、一般的な脳に対するイメージです。

では、脳の電気的な活動を理解すれば、脳を理解したと言えるのか、という疑問が本書の出発点です。脳の統合的な電気活動を表す脳波を発生する人工ミニ脳、脳の電気活動を模倣して学習する人工知能……この脳は生きていると言えるのでしょうか?

【写真】生き生きとした「生きている脳」とは? photo by gettyimages

本書では、その謎を解く鍵として、7つの"ニューロン以外の要素"にスポットを当てます。そのひとつひとつを順番に紐解いていくことで、従来私たちが主役だと思ってきた脳を司る、もう一つの「脳」の正体が徐々に明らかになっていきます。これこそが、脳を司る「脳」なのです。詳しくは、ぜひとも本書『脳を司る「脳」』をご一読頂ければと思います。

私自身は、直接病気を治したり薬を開発したりする立場にはありませんが、本書を通して、脳の知られざる不思議や、脳の健康を守り支える仕組みについて少しでも皆さまに知ってもらえればと思い筆を取りました。受賞をきっかけにより多くの方に、脳のおもしろさ、重要さを知っていただければ幸いです。

最後に、本賞の選考委員の先生方をはじめ、本書をご選出くださったみなさま、そして本書の編集を担当してくださった講談社ブルーバックスの家田有美子さんに改めて感謝申し上げます。

祝・第37回 講談社科学出版賞受賞!

脳を司る「脳」
最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき

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脳のはたらきは、ニューロンが担っている——この常識が覆されようとしている。 脳の中には、知られざる「すきま」があり、そこを舞台に、様々な脳活動が繰り広げられていたのだ。

心のはたらき、知性、ひらめき…… ニューロンだけではわからなかった、「人間らしさ」を生み出す、知られざる脳の正体とは?

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