1993年、パリコレにモデルとして参加して以来、モデル活動に、執筆や講演活動にとフル回転。常に前向きかつフェアなメッセージと笑顔で、多くの人を元気づけているアン ミカさん。なぜアン ミカさんは、いつもポジティブに輝いているのでしょうか。アン ミカさんが今のアン ミカさんになった秘密を、「言葉」をキーワードにし、その言葉にまつわるエピソードをお聞きして紐解く本連載。読むだけで心がちょっとラクになる、ビタミンのようなメッセージを受け取ってください。

アン ミカさんといえば、夫のテディさんとのラブラブぶりは有名です。連載第7回では、お二人の出会いと、アンさんがテディさんから受け取った、印象的な言葉についてお聞きします。アン ミカさんが心に留めている31個の言葉をまとめた、『ポジティブ日めくりカレンダー 毎日アン ミカ』にも、テディさんの影響が大きく出ているそうですよ。

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「無理しないでください」という一言

2012年に結婚した夫、セオドール・ミラー(通称テディ)は、制作会社を経営するアメリカ人。彼との出会いはゴルフだったのですが、正直、お互いの第一印象は決して良いものではありませんでした。

私はその日、遅刻はしないまでも、集合場所に到着したのは一番最後。まずはクライアントである彼に対して、「遅くなってすみません! 社長のミラーさんですよね?」と挨拶したことを覚えています。初対面の相手だったので、普段より愛想良く、声をワントーン上げての対応でした。

すると彼から「あなたのことはテレビで拝見していました。でもあなたの声って、普段はもっと落ち着いていて低いですよね? 無理しないでください。ゴルフは1日がかりなので、無理をしていては疲れてしまう。だからリラックスしてください」と言われたのです。

初対面の人に、いきなりダメ出しをされた私はビックリ! 彼としては「日本では若くてキャピキャピしている女性がもてはやされるのでしょうが、僕はマチュアな大人の女性に魅力を感じます。あなたはあなたのままで素敵なんですよ」という意味での言葉だったそうですが、なんだか人前で否定されたように感じて、私は勝手に一人ショックを受けてしまいました。

しかもその日は、私の恰好もひどかった。前日仕事が終わるのが遅く、ギリギリの時間に起きたため、急いで着替えた服がグリーンのポロシャツに赤いミニスカート、仲間うちで「ブッダ」と呼ばれていた真っ金金のゴルフバッグという、真夏のクリスマスツリーみたいなコーディネートだったのです(笑)。

Photo by iStock
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いろいろな勘違いが重なって

ゴルフ場に着いた私たちは、モーニングを食べに行く人、練習場に行く人に分かれて行動することになりました。私は下手くそなプレーで迷惑をかけてはいけないと、まずは練習場で打ちっ放しをすることにしたのです。

隣で練習していたのは彼。私としては「よくいる“教えたがりおじさん”みたいに、フォームについてあれこれ言われるたら嫌だなあ」と心配していたのですが、彼は全然そうじゃなかった。空振りして恥ずかしがる私に、「わかる。ゴルフって難しいよね。僕は20年やってるけど、まだ難しいよ」と言ったきり、すぐに自分の練習を再開したのです。そこでまず、良い意味で「へえ~!」と思いました。

その後、彼と女性3人でグリーンを回り始めた時も、キャディーさんがついていなかったにも関わらず、恐ろしいくらい心地良く、すべて段取りして進めてくれる。テキパキした采配に、「なんて頭のいいジェントルマンなんだろう」と惚れ惚れしました。しかもランチタイムになると、彼は真っ先にキムチをオーダー。「きっと私が韓国人だと知って頼んでくれたんだわ!」と、ここでも感激です。

ところが後になって、人にゴルフを教えないのは自分流の技術を押しつけるのは失礼だし、その責任を取りたくないから。プレー中、率先して動いてくれたのは、ゴルフのマナーは徹底的に守る主義であり、そもそも自分がちゃっちゃと回りたかったから。キムチに至っては、ただのキムチ好きだったということが判明しました(笑)。つまり、すべては私の勘違い。とはいえ気づいた時には、私の中で彼の好感度はかなり高くなっていたのです。

撮影/大坪尚人

逆光に浮かんだ男性の正体は?

さて、ここからは少々スピリチュアルな話になります。実は彼に出会う1ヵ月ほど前、私はとある九州の神社を参拝していました。そこではいつもお仕事関係の祈願をしているのですが、その時の私は元恋人と破局したばかり。ものすごく傷ついて疲れていたため、「どんな人でも結構です。ご先祖様どうしが喜んでくれる人と結婚させてください」と、初めて恋愛がらみのお願いをさせていただいたのです。

すると東京に戻ってから、不思議な夢を見るようになりました。逆光を浴びて銀色の服に身を包んでいるかのように見える男性が、いろいろな国の言葉で「愛してる」「好きだ」と、後ろ姿でずっと言っている夢です。後ろ姿なので顔は見えませんが、背が高い人でした。「なんだろう、この夢は?」と謎が解けないまま、私はゴルフにやってきたのです。

するとプレーの後半でミラー氏の姿が逆光に彩られ、それを見た瞬間、夢に出てきたのは彼であることがわかりました。雷に打たれたように、「私はこの人と結婚するんだわ!」とピンときたのです。それからです、彼のことを男性として意識するようになったのは。

一方、彼の方はどうだったかというと、ゴルフウェアはモデルなのに”ダサイ”と思っていたのに、私がプレー後にミッソーニの落ち着いたワンピースに着替えてきたのを見た瞬間、「タイプだ!」と思ったそうです。髪もそれまで結んでいたものをセンターパーツで下ろしたら、「かわいいなあ」と感じたとか。お互いに、プレーの前と後で印象が大きく変わり、手前味噌ではありますが、それを魅力に感じて惹かれあったようです……。(照)

衣装協力/ADORE  abiste 
スタイリング/加藤万紀子  ヘアメイク/ K.Furumoto【&’s management】
構成・文/上田恵子