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中国受注の「インドネシア高速鉄道計画」ここへきて問題噴出の自業自得

最初から日本に発注しておけば…

曰く付きの高速鉄道計画

インドネシアで中国が受注した高速鉄道計画が、ここへきて新たな問題を抱えていることが明らかになった。

これまでにも建設に関わる費用の肥大化や用地買収の遅れなどから完工時期が何度も延期されるなどの問題点が明らかになっており、苦肉の策としてインドネシア政府が日本の参加・支援を協議する事態にもなっていた。

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そうした費用、完工時期の問題に加えて、今回さらに、鉄道建設工事が周辺住民の住宅に影響を与えたり、水質汚染、大気汚染、洪水などが生じる環境問題を起こしており、路線周辺の住民が「国家人権委員会(コムナスハム)」に訴える事態になっていることを、米政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が報道したのだ。

ジャワ島西部にある首都ジャカルタと西ジャワ州の州都バンドンを結ぶ全長143キロメートルの高速鉄道は、受注段階で中国と日本が激しく争い、最終的に中国が受注したという日本にとっては因縁の計画だ。

それだけに中国受注で進められている現在の建設工事において数々の問題が持ち上がっていることに対して、それ見たことかと冷ややかな見方が日本サイド、日本への発注を推進したインドネシア政府関係者の間で急速に広がっている。

深刻な環境問題が表面化

RFA系メディアの報道によると、ジャカルタの南に位置するボゴール郊外の建設現場に近い集落の住民から「自宅の壁に亀裂が生じた」との不満が噴出しているという。

近くの建設現場では大型重機を使用してパイル打ち込みや掘削作業が行われており、その振動が伝わって民家の壁に亀裂が生じる被害が多数出ていると住民が訴えているというのだ。

 

住民たちは工事に当たるインドネシアと中国のコンソーシアム「KCIC」に対して被害状況を訴えて善処を求めたが、一切応じてもらえないため、新たな行動に出た。独立人権組織である「国家人権委員会(コムナスハム)」に被害を訴える挙にでたのだ。

「コムナスハム」はボゴール市南部の住民から寄せられた被害報告を受けて調査に乗り出し、近くKCIC側から事情聴取を行う審問に踏み切ることになった。「コムナスハム」関係者によると、7月22日までに審問を開くとしている。

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