マンガ/杜野亜希 文/FRaU編集部

だれもが加害者になりうる

「目を見て診察してくれない」「待ち時間が長い」「診察内容に納得がいかない」などさまざまな理由がきっかけでトラブルに発展するケースもある、医療の現場。また昼夜を問わずいろんな人が出入りする環境だからこそ、予想だにしない事件が発生する危険もはらんでいる。

そんなモンスターペイシェントや院内暴力、様々なトラブルから患者や病院職員を守るために設置された「院内警察隊」の働きを描いた、病院×警察の新感覚医療マンガ『H/P ホスピタルポリスの勤務日誌』第5巻が先日7月13日に発売され、完結した。

4巻、5巻では、ウイルスによる患者の死亡事件が起こり、院内警察隊が捜査に乗り出す。コロナ禍の今だからこそ、ハッと気付かされることも多い内容になっているが、作者の杜野亜希さんはどんな思いで執筆にあたったのだろうか?

「違う立場の人同士のコミュニケーションの話を描きたいと思って始めました。でも途中でコロナ禍になり、リアルタイムで皆が直面している問題が出てきて……。以降は、架空の感染症の話の中で、実際のコロナ禍で感じるアレコレを私なりに描いてみようと切り替えました。

それぞれのキャラが違う立場で違う思いを抱えていて、今の世の中の誰かに近いかもしれません。『このキャラの気持ちはわかる』『このキャラは責めたくなる』……など、ご感想は読む人ごとに違う気がしています。架空の話なので、お気軽に無責任にエンタメとして読んでいただければ……。その後、自分だったらと考えたり、まわりの方と話すきっかけになったら嬉しいです」

『H/P ホスピタルポリスの勤務日誌』第1巻第1話より

以前FRaU webで試し読みを公開した第1巻1話目の作中では、様々なトラブルから患者と医師を守るため、国立H大学病院に試験的に設けられた「院内警察隊」に配属された主人公・恋河内環(こいごうちたまき)巡査が、ある事件に遭遇する。

殴り書きのような震える筆跡で描かれた脅迫文、その犯人は意外な人物だった……。

まさかの人物が犯人だったことから、「院内にいていつも中の人々を見ていることで、事件が起きたときその普段の姿がヒントになる」と院内警察隊の必要性を痛感した環。果たして患者、そして医師を守ることはできるのだろうか?