“落ちこぼれ”を作らない。天才IT大臣オードリー・タンの母が創設した学校とは

台湾のIT担当大臣として、台湾史上最年少の35歳で入閣したことで知られるオードリー・タンさん。新型コロナウイルスの対応では、台湾内のマスク販売店の在庫状況がリアルタイムでわかるアプリ「マスクマップ」や、コロナ感染者の接触者をたどるツールをいずれもわずか3日ほどで開発するなど、オードリー・タンさんが陣頭指揮を取った防疫対策は常に世界の注目を集めてきました。

8歳でプログラミングに出合い、15歳でIT企業を設立。その後アメリカのアップル社をはじめ世界のIT企業で顧問を務めてきたオードリー・タンさんですが、IQ180以上の明晰な頭脳を持つがゆえに、幼少期は既存の教育システムに馴染めず、何度も不登校を経験。そんな我が子を支えたのが、母である李 雅卿(リー・ヤーチン)さんでした。

今回は李 雅卿さんの著書『子どもの才能を引き出す 天才IT相オードリー・タンを育てた母の教育メソッド』から、子どもたちの健やかな成長を育む教育について、その実績をご紹介します。

 

李 雅卿/リー・ヤーチンさん(写真右)
1954年生まれ。台湾南投県魚池郷出身。国立政治大学法律学修士。新聞「中国時報」で記者、雑誌「商業周刊」で編集者として8年間、ジャーナリズムに携わる。子どもの教育問題により退職し、管理と権威に満ちた伝統的な教育に対峙し、子どもに付き添う。台湾の教育改革に取り組み、「自主学習」を実践する実験小学校「種子学園」を創立する。初代校長。台北市独立学習実験プロジェクト(中学・高校6年)を立ち上げ、ユネスコから「アジアで最高のオルタナティブ教育の1つ」として賞賛される。台湾史上最年少で大臣となったオードリー・タン(写真左)の母親。 写真提供:李雅卿

 


オードリー・タンさんは抜きん出た才能を持つがゆえに、幼い頃から学校に馴染むことができませんでした。中学生になると学校を退学して、自宅学習したいと周囲に訴えるように。新聞記者だった母の李さんは、子どもの気持ちを尊重し、自宅学習を懸命にサポートしました。その後のオードリー・タンさんの活躍は皆さんの知るところですが、母である李さんも、実はこの後の台湾の教育界に大きな功績を残すことになります。
 

創造性を育む教育がないなら創ればいい! 自らの手で学校「種子学園」を設立


オードリー・タンさんの子育てを経験したことで母・李さんが考えたのは、次のようなことでした。「ユニークな個性や才能を持つ子どもは、従来型の教育の枠組みやスピードに馴染まない。だとしたら、新たな教育機関を自らの手で創ればいいのではないか」。そうして李さんは、すぐに自ら土地を探し、寄付を募り、新聞広告を掲載するなどして、新たな学校の創設に動き始めます。

そうして1994年9月、台北市内からは少し離れた台北県烏来郷娃娃谷(ワーワーグゥ)という自然豊かな美しい地に「種子学園」を開校。自身が初代学園長となり、子どもの創造性を高めるためのユニークな方針を次々と打ち立てていきます。


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