お父さんの状況をお子さんにどう話してますか

11月に入ってからだろうか。彼の通っている保育園の先生が我が家に訪ねてきてくれて、太一の保育園での生活ぶりを報告してくれた。何かにつけて少々怒りっぽくなっていると、アメリカ人のその先生は言った。そして、それは今回の事件が関係あるのではないかと言うのだ。

母とも話したが、そう深刻に今回の事件との関係だけに原因があるようには思えなかったのだが、しかし、ここはやはり専門家の意見を聞くいいチャンスかもしれない。わたしは、何人かの人に相談し、ある日本人女性のカウンセラーを紹介してもらった。そして、まずは太一を今後どう扱ったらよいのか相談してみることにした。

その頃、外出ができなかったため電話でのカウンセリングであったが、その先生はじゅうぶんな時間をかけて話を聞いてくれた。

切迫流産で絶対安静が続いていた晴美さんは、電話でカウンセリングを受けた Photo by iStock
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先生から質問を受けた。

「どうやって太一くんにお父さんの状況を話していますか」
「はい、事件後すぐは、いまお父さんは一生懸命逃げているところだと。そして、なかなか帰ってこないのは、きっとすぐに戻れないところまで逃げていってしまったからなのかもね、と話しています」

先生はそれを聞いて静かに言った。
「そうですか。でもね、もうそろそろ、お父さんはもう戻って来られないよということを伝えてあげる時期にきているかもしれませんね