若者の「〜離れ」はお金がないだけ

――現在、どのようにして生活しているのでしょうか。

青柳:映画の公開もあるので、東中野の四畳半、家賃が2万円のアパートにいます。大学卒業後は、代行運転や畑のアルバイトをしながら、故郷の山梨で『ひいくんのあるく町』(17’)というドキュメンタリーの製作をして東京で劇場公開したり、撮影や録音の仕事をしていましたが、今回の作品の宣伝や今後の活動を考えて東京に拠点を移しました。

自分のようなライフスタイルの人間がお金を稼ぐのには、やはりUberEatsは便利なんです。フレキシブルで働きやすいのでこの仕事が今は一番いいですね。

毎日、報酬は1件300円から600円ぐらいですが、近くの新宿渋谷池袋辺りに出向いて、1日平均3~4時間働いて5000円~6000円の収入を得ています。11時から14時ぐらいの間は「ピーク」と言って、プラス料金が加算されるので、その時間帯であれば時給1500円ぐらいにはなりますね。毎日やれば月20万円ぐらいは稼げます

『東京自転車節』より (C)水口屋フィルム/ノンデライコ
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――劇中には奨学金の返済督促のシーンも登場しますね。

青柳:大学進学時に借りた500万円の奨学金の返済が残っています。卒業後は返済計画を提出しますが、返済計画通りに返せていないと「どうなっていますか?」と連絡が来るんです。

事前に猶予願いを出すこともできて、1年ごとに更新できます。猶予期間は10年間ですが、僕は6年目。利子が付くので、最終的には700万円程度になりますね。10年間の猶予があっても利子率には変わりありません。経済状況が良くなってきたら、月3万円の返済を考えています。

大学時代の友人も2人に1人くらいは奨学金を借りていました。「車離れ」のように「~離れ」という言葉がありますが、お金がないだけでやりたいことはたくさんある。でも我々の世代は奨学金を借りている人も多いし、賃金も低い。上の世代に比べて圧倒的にお金を持っていない状況です。

その代わりに今はインターネットがある。スマホなどで安く目先の欲望を満たしてくれるものはあるんです。そうやって発想を切り替えれば、ミニマムに楽しく暮らせるのではないかと。