2021.07.15
# 年金 # 介護

早期退職して「母の介護」に専念した男性を待っていた「厳しすぎる現実」

渋澤 和世 プロフィール

気持ちだけではどうにもならない

「今のところは親の貯蓄を取り崩してなんとかしのいできましたが、介護状況が進めばかかる費用も増えていく。いずれは自身の貯蓄を取り崩さなければいけない状態になっていくかもしれません。これは完全に想定外でした」(加藤さん)

この段階で「決断を早まったか」と思い始めた加藤さんですが、更に追い打ちをかけて悪いことが起こりました。

慣れない介護による肉体的、精神的負担の積み重ねで自身の体調の悪化しはじめたこと。そして、自宅に残した妻との夫婦関係が悪化、離婚危機に直面しているそうです。

元々夫婦関係は良好とは言えなかったのですが、当初は「親思いのいい夫」と思っていたものの、別居が想像以上に長期化したことで、妻としては「自分より親を取った自分勝手な夫」と感じるようになったのでしょう。

当初は頻繁に来ていた電話やLINEも最近は、ほとんどこなくなりました。

実はご母親から実家に戻って面倒を見てくれれば「姉ではなく自宅をお前に譲る」と言われていました。自分が生まれ育った自宅ですし、定年後は戻って静かに暮らしたいとも持っていましたから親の提案は渡りに船だったのですが、妻は都会生まれの都会育ちで地方に行く気などありませんでした。

 

夫が自分に相談もせずに実家に帰る前提で話を進めたことも不満の一つだったのでしょう。妻からすれば「価値もない不動産」でしかないわけです。

最近では、妻自身も自分の親の介護の心配もあり、仮にそちらから「介護して欲しい」という要請があれば、「実家に帰るからね」とも言いはじめました。

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