2021.08.15

731部隊の「細菌兵器」が原因で、日本軍でも感染症が大流行していた…!

「後期日中戦争」の悲惨な戦場
残虐な人体実験を繰り返したことで知られる、日本軍の関東軍防疫給水部本部。「731部隊」として有名なこの部隊は、国際法に違反する「細菌兵器」の研究開発を目的としていた。その一部は日中戦争の戦場で実際に使用されたが、実は敵軍だけでなく日本兵にも被害が及んだという…。知られざる中国大陸の実情を、新刊『後期日中戦争』から一部編集のうえ紹介する(本記事は2021年4月17日に掲載された記事の再掲です)。

兵士を苦しめたコレラ菌

酷暑に苦しめられていた第三師団通信隊では、新たな事態が起きていた。

(休息中――引用者注)歌の上手な近藤君が、陽気に「誰か故郷を想わざる」を美声で唱う。(引用者略)

突然、近藤君の顔色が変わり、皆が心配して聞くと「下痢また下痢でズボンを履く暇もない」という。早速、軍医に診せるとコレラと診断、直ぐ入院させることになった。私たちは、近藤君がそんな恐ろしい病気に罹っているとも知らず、一緒に食事をしていたのだ。私が近くの民家へ馬糧を探しに行った時、下半身糞だらけの住民があちこちに寝ていたが、やっぱりこれが感染したらしい。(「コレラ騒ぎ」、『第三師団通信隊誌』所収)

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コレラとは、コレラ菌に汚染された水や食物を摂取することで起きる経口感染症のひとつである。1日以内の潜伏期間をへて、下痢を主症状に発症する。重度の場合、大量の排泄による脱水症状、意識の消失、低カリウム血症による痙攣などを起こし、最悪、死に至る(「コレラとは」、「NIID 国立感染症研究所」)。

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