2021.07.11
# 企業・経営

早期退職した「大企業の管理職」を襲う「どこにも居場所がない」という大問題

サードプレイスづくりが必要だ
前川 孝雄 プロフィール

私はこの男性の悩みに共感しつつも、退職した元上司の訪問を受け入れる元部下の現役社員も、働き方改革で余裕のないなかで時間をとられることは辛いだろうなと感じたものだ。

 

「サードプレイス」作りを

この男性の事例に身をつまされた人もいるのではないだろうか。

私は、長年仕事に打ち込んできたミドル・シニア世代は、早期退職や定年退職しても仕事を続けたほうがよいと考えている。夫婦でやりたいことや、打ち込める趣味があれば別だが、そうでなければ仕事をしたほうがいい。

元気だから働くのではなく、働くから元気になれるからだ。収入を得るためというよりも、自分が必要とされる場所を作るためだ。しかし研修やコーチングなどで生の声を直に聴いていると、本人のやりたい仕事が明確でない場合も多く、受け入れ側の求人も豊富ではないため、なかなか順調には進まない。

そこで、職場や家庭とも異なる、安心して自分らしく居られる第三の居場所(サードプレイス)作りが先決だと感じている。もし、あなたが会社以外に居場所の心当たりがなければ注意信号。デジタルネイティブである若者は、SNSの活用などで社外での友人・知人とのネットワーク作りに長けている傾向がある。終身雇用をもはや信じていない故に、プライベートな居場所を大切にする意識も強い。若者に学び、ミドルもサードプレイス作りを始めることだ。

人間関係づくりには時間がかかる。会社が居心地のよい居場所になったのも、同僚や先輩・後輩・部下たちと長年仕事の濃密な時間をともにしてきたからだ。だから、できれば、定年や早期退職の5年前、欲を言うと10年以上前から動くことが望ましい。

その気になれば、今からできることは沢山ある。趣味を見つけて繋がりを求めたり、週末・夜間のスクールや大学・大学院などに通うのもいいだろう。仕事での立場を離れ、ありのままの自分を出せる仲間を見つけることだ。その努力を、会社にいるうちから始めよう。

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