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早期退職した「大企業の管理職」を襲う「どこにも居場所がない」という大問題

サードプレイスづくりが必要だ

上場企業の「早期・希望退職」募集が急増している。コロナ禍以前からの産業構造転換に対応するための動きに加え、コロナ禍で経営難に陥る企業でのリストラも加わったためだ。スキルが陳腐化しつつあるとみなされる50代サラリーマンがターゲットとなる場合が多いが、かたや人生100年時代でリタイアするには早いため、当事者の心情は穏やかではない。

大企業に勤める人ほど、経済面の不安から会社にしがみつこうとする傾向が強いが、上乗せされる早期退職金を糧に第二の人生に踏み出す人も増えつつある。ただし、ベストセラー『50歳からの逆転キャリア戦略』『50歳からの幸せな独立戦略』(共にPHP研究所)の著者であり、「50代からの働き方研修」なども提供する、人材育成支援企業(株)FeelWorks代表取締役の前川孝雄氏は、経済面のみを考えての早期退職は危険だと警鐘を鳴らす。

 

ハイペースの「早期・希望」退職募集

これまで会社一筋に真面目に働いてきた50代サラリーマンに、いま大きな転機が訪れている。「早期・希望退職」募集の対象となる人が増えているからだ。東京商工リサーチの調査によると、上場企業の「早期・希望退職」募集人数は6月3日時点で1万人を超えている。1万人を超えるのは昨年より約3カ月早く、リーマン・ショック直後の2009年に次ぐハイペースだという。

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こうした動きはコロナ禍で経営難に陥った企業が増えたからだと思われがちだが、実は比較的景気のよかった2019年頃から始まっていた。世界的に存在感をなくし続けてきた日本企業がビジネスモデルを転換させ、産業構造の変化に対応していくために、黒字のうちにスキルが陳腐化してきたベテラン層を即戦力人材に代替しようとしていたからだ。ここに、コロナ禍で経営が逼迫した企業の赤字リストラが上乗せされて、早期・希望退職募集の動きが加速しているのだ。

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