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大絶滅に突き進む日本をもっとダメにする「年功序列」という根深い病

「飛び入学」導入で組織文化の是正を
少子高齢化の最大の恐ろしさは、知らず知らずのうちに社会全体の思考や発想、行動が「守り」に入るようになることだ。コロナ禍は図らずも、そんな「社会の老化」の実態を浮き彫りにした。萎縮した社会に活気を取り戻すためには、どのような改革が必要なのだろうか。
ベストセラー
『未来の年表』シリーズの著者・河合雅司氏は、最新刊『未来のドリル コロナが見せた日本の弱点』で、「日本を守る『切り札』5ヵ条」を提示する。今回は、河合氏による第2の切り札「中学卒業時からの『飛び入学』導入」を紹介する。「飛び入学」の導入が社会にもたらす効果とは?
 

進む社長の高齢化

第2の切り札は、「飛び入学」制度の導入だ。といっても、単に早く進学できるようにしようといったことではない。第1の切り札と同様に、世代交代を促す起爆剤として期待するものである。

日本社会は長く「長幼の序」が美徳とされてきた。それ自体を否定するつもりはないが、さまざまな組織や社会における倫理観として影響を与え続け、多くの企業においては「年功序列」となって、組織に長く所属する年上社員の発言力が強まる傾向を生んでいる。いくら優秀でも、「年齢が若い」というだけで企画や提案が採用されないといったケースは珍しくない。

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少子高齢化に伴って企業組織の高年齢化が進むほど、組織の硬直化も進む。それは優秀な若者にとっては“息苦しさ”でしかない。

組織の理論を受け入れて、企画や提案が採用されるようになるまで出世を待ち続けていたのではいたずらに歳を取ってしまう。こうした不安に苛まれて、優秀な人材ほど若くともチャンスを得られる新天地に飛び出すこととなる。入社3年で辞めてしまう若者が後を絶たない理由の一端がここにある。

硬直化した企業に早々に“見切り”をつけている人が相当数含まれているのだ。希望に満ち溢れて入社した若者がこうした理由で去るのは、実にもったいないことである。

企業内におけるこんな「社会の老化」は、経営陣にも当てはまる。同族企業でなければ、社長に上り詰めるには出世の順番待ちをせざるを得ず、念願かなってやっと就任できた時には60歳を超えているという事例は少なくない。取締役など経営幹部も同じことだ。

東京商工リサーチによれば、2019年末時点において全国の社長の平均年齢は前年より0.43歳伸びて62.16歳となった。調査を開始した2009年以降で最高齢だ。このうち70歳以上は30.37%で、初めて30%台を記録した。

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