日本の「大麻政策」がここへきて激変中…来年の春から始まる「これだけの変化」

新たな「市場」が生まれる…?
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成分規制への移行は、単にTHCの有無で判別できる話ではない。例えば、現在栃木県で栽培されており、「無毒大麻」として知られる「とちぎしろ」という品種も、THCは厳密にはゼロではない。行政の検査によれば、THC0.24%という値でもゼロとみなしている。「糖質ゼロ」という表示が、完全にゼロではなく「100g中の含有量が0.5g未満」と規定されているのと同様に、「ゼロ」をどのように定義するかが重要なのだ。

海外では、大麻に含まれるTHC濃度が一定基準以下の品種(欧州では0.2%以下、カナダ、米国、中国は0.3%以下、オーストラリア、スイス、タイは1.0%以下)を産業用大麻(ヘンプ)と定義。アメリカでは、長年ヘンプの栽培を禁止してきたが、2018年に改正農業法によって麻薬取締局(DEA)から農務省(USDA)へと管轄が変更した。小麦やトウモロコシと同じ「農作物」となったのだ。

これによって、2013年にほぼゼロだった認可栽培面積は、2019年には6万ヘクタールまで拡大した。基準となる数値をどうするかについては今後の議論を待ちたいが、成分規制とは実質的に、産業用大麻の定義を設けることとも言えるのだ。

大麻農場〔PHOTO〕iStock
 

ちなみに、産業用大麻は環境負荷の少ない生物資源として、すでに日本でも様々な製品が流通している。著名な企業をあげると、繊維としてはリーバイスやpatagonia、化粧品としてはbodyshopが熱心にヘンプ製品の研究開発・販売を続けている。

また、大麻の種子はスーパーフードとして注目を集め、玩具のLEGOはブロックをヘンプにするための試行錯誤を続けているという。成分規制に移行することで、今後も様々な発展が期待されるこのブルーオーシャンに、日本の事業者が参入できる可能性が生まれるということだ。

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