写真提供:フォーモストブルーシール
# 新型コロナウイルス

「観光客さえ相手にすればいい」コロナで売上7億5000万円が消えた沖縄「ブルーシール」の大誤算

先日、県独自のものを含むと5回目になる緊急事態宣言の延長が発表された沖縄。政府の方針に「ちょっと長いな」と玉城デニー知事は語ったというが、これは県民の総意に近いと言ってもいいだろう。

そもそも、観光需要に大きく依存している沖縄経済にとって、長引くコロナ禍は大きな影を落としている。アイスクリームの製造販売で知られる老舗企業「ブルーシール」も、19年から20年かけて7億5000万円の減収を余儀なくされた。

「観光バブル」が弾けたあとに同社が選んだのは、観光客を“おまけ”と見なす施策だった。ブルーシールが大きく舵を切った「ウチナーンチュシフト」の実態にライターの伏見学氏が迫った。

観光客には「来てほしいけど、来てほしくない」

ある平日昼下がりの那覇市・国際通り。通行人はまばらで、南国特有ののんびりしたムードはなく、どことなく緊張感がある。

通りに面した店舗の多くはシャッターが降りていて、「臨時休業」あるいは「閉店」の貼り紙。開いているお土産店や飲食店はあっても、店員が客を呼び込むような様子はない。

那覇市の中心部を東西に約1.6キロメートル伸びる国際通りは、言わずと知れた沖縄最大の繁華街だが、人通りは少なく、閑散とした状況が常態化している(6月22日、崎原有希撮影)

2019年、沖縄県は1000万人超えという過去最高の観光客数を記録したが、あのころの活気はもうどこにもない。新型コロナウイルスの感染拡大によって1年以上このありさまだ。

さらに追い討ちをかけるように、今年5月23日に5回目(県独自の宣言を含む)の緊急事態宣言が発令。当初定めた期限内に改善が見込めないことから、7月11日まで延長、さらに8月22日まで再延長されることが決定した。3ヶ月の長丁場だ。

 

今回の緊急事態宣言の引き金は、人口10万人当たりの新規感染者数が全国最多レベルになったことだ。ゴールデンウィークに10万人以上の観光客が沖縄に押し寄せ、その後、感染が急拡大した。こうした事態になるのは想定できたはずだが、沖縄側も断固として来沖を拒むことができないという事情もある。沖縄経済は観光需要に支えられているという現実があるからだ。

「来てほしいけど、来てほしくない。来てほしくないけど、来てほしい……」。こうしたジレンマを抱えながら、規模や業種にかかわらず、多くの沖縄企業が先行きの見えない不安に怯えている。

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