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度を越した「反日」狩りが横行する日本――社会分断の先に待つものは

この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体9/終
「匿名の悪意」の被害はもう止められないのか?
ネットに吹き荒れる誹謗中傷、国民を見殺しにする政府や権力者、強気を助け弱気を挫くメディアの病巣、日本の歪な現実の病巣を、いまもっとも硬派な論客、青木理氏(ジャーナリスト)と安田浩一氏(ノンフィクションライター)が語り尽くした+α新書『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』から、短期集中連載!

生活、生存を脅かされる「反日狩り」

青木 薄っぺらな理屈が堂々とまかり通ってしまうという意味では深刻な現象ですよね。その「反日」なるものの基準にしたって、時の政権にまつろわないとか、日本を悪く言う奴は許さんといった程度の理屈というか、理屈にもならない脊髄反射的な病的症状の一種ですからね。

青木理氏 撮影/西崎進也
 

被差別者が就職や結婚、あるいは住居を借りる際に不利益を受けるというのは古くからある許されざる差別の典型ですが、「反日」だからマンションを貸さないなどと言い出したら、僕や安田さんなんて住むところがなくなってしまう(笑)。

安田 いや、それは笑い事ではなく、きわめて現実的な危機としてこれから出てくるんじゃないかという気がするんですよ。

青木さんなんかとくにそうだけれど、ネットで貶められた青木像みたいなものが一人歩きした場合に、たとえば青木さんがマンションを借りようとしたときに、家主側はストレートに言わないまでもネチネチとそれを貸さない理由にしたり、あるいはその情報がどこかから家主に流されてきたりということがあり得る。

僕なんかも、ホテルを予約するときなどに、名前を確認される際に、相手がネトウヨだったら嫌だなとか、一瞬思いますもん。出張先で宿帳に安田浩一と書いて、そのホテルのフロントが熱狂的なネトウヨだったら恐ろしいなと思うことがあって、それはたいがい杞憂に終わることなんだろうけれど、あながち軽く考えることのできない事柄でもある。

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