「民主党は顔を洗って出直してこい」
渡辺喜美独占手記 『みんなの党は少数党の正論を仕掛ける』

 みんなの党は比例区約800万票、選挙区約600万票で全10議席をいただいた(選挙区3名、比例区7名)。非改選の1議席と合わせて議員立法提案に必要な数を獲得した。これからはQT(党首討論)の参加権だけでなく、みんなの党の覚悟のアジェンダを、次から次へと国会に提出することが可能になった。

 開票の夜(7月11日)、テレビ各局の中継が目白押しで、昨年総選挙の時とは様変わりだった。出口調査で10議席前後とは出ていたが、実際、当確が出るまではハラハラドキドキの連続である。

 最初の当確は東京選挙区・松田公太。思わず万歳を叫んだ。2人目は神奈川選挙区・中西健二。赤バラをつけてダブルピース。3人目は千葉選挙区・水野賢一。午前0時過ぎだったが、ほっとした。

 比例の7議席目が確定したのは午前2時過ぎだった。

 民主党政権の過半数割れを受け、連立組み換えの話は来ていないが、みんなの党は連立には参加しない。理由は第一に、大きな政府・官僚主導・増税路線の民主党に対し、みんなの党は小さな政府・民間主導・成長路線とアジェンダが違う。

 第二に、民主党政権のこの10ヵ月は言行不一致の連続。「覚悟のなさ」がその根底にある。覚悟があれば、官僚の既得権益に切り込み、予算の組み換え、天下り根絶、無駄削除の更なる深堀りができたはず。お口ばっかりの民主党に「結婚しよう」と言われても、「冗談じゃない、顔を洗って出直して」ということ。

民主党は分解過程に入る

 第三に、民主党は衆参ねじれ国会の中で分解過程に入るのは必至。すでに選挙中から小沢派 vs 反小沢派の抗争が勃発している。今後、参院選「菅敗」の原因究明・責任追及は激化するだろう。そんな混乱と不安定の中で連立を申し込まれても、お断りするしかない。

 「ねじれ」は3年前にも起きた。当時、民主党は直近の民意と称して、安倍内閣の総辞職を要求した。安倍総理は参院選は政権選択の選挙ではないとして、退陣を拒否。大バッシングにあい、結局、体調不良で辞任した。

 「ねじれ国会」のもとで、参院多数派となった民主党は政策に関係なく自民党を追い込むことだけを目的として寝転がった。その結果、すべての政策が停滞し、「ねじれは悪」という認識が定着した。

 民主党は政権党となって前代未聞の横暴な国会運営を行なってきた。強行採決の連発。総理が変わっても予算委員会を開かない。ロスタイム延長しない。参議院に至っては菅総理の問責決議案や、江田議長の不信任案が提出されているにもかかわらず、審議もせず国会を閉じてしまった。輿石参議院議員会長の判断と言われている。

 まず、みんなの党はこうした異常な終わり方をした国会を正常に戻すため、江田参院議長の交代を求める。そして野党統一の議長と議運委員長を出すべきと考える。

 私がこういう提案をしたところ、野党各党は及び腰ばかりだ。公明党などは「議長は第一党が出すのが筋」と言っている。しかし、その第一党の民主党が政権を獲ったら暴挙を繰り返してきたではないか。直近の民意の中は、ロスタイム延長もせず、国会論戦を行わなかった評価も含まれているはず。

 自民党幹部は「手の内をテレビでしゃべった」と私に対する批判が出ているとか。自民党の与党ボケが、まだとれていない。みんなの党は密室国対政治から脱却し、オープンに国民に向かって情報を発信していくつもりだ。

 「ねじれ」の結果、政策の停滞を起こしている暇はない。みんなの党はしがらみのある政党には出せない、本物のアジェンダを提示し、迅速な実行を目指す。国民の前で堂々と論戦を行い、国民の力で少数党の正論を多数党が受け入れざるをえなくなるよう仕掛ける。それがみんなの党の責務である。

 「ねじれ」をテコにして、国会内外の論戦を通じ、よりよいアジェンダを実現していく。

 例えば、「デフレ脱却法案」
  日銀法を改正し、政府と日銀のアコード(協約)に基づき、物価安定目標を設定。政府が日銀に信用緩和金融政策を求めることができるというもの。すでに、法案はできている。

 また、国会議員自ら身を削るのは当然。みんなの党は「歳費削減法案」を作った。
  給与3割、ボーナス5割カットする。党首討論で何度も呼びかけたが、どの党も無反応。覚悟があるのはみんなの党だけだ。広くて豪華な新議員会館に無料で入居するのだから、歳費カットぐらいやろうではないか。

 次に「霞が関改革法案」
  事務次官ポストの廃止、幹部の任期付き特別職化、給与法の抜本改正、政府の人事機能を一元化した内閣人事局の創設。先の国会では自民党が丸飲みしたので共同提案した。しかし、民主党がすべったころんだの強行採決で否決、廃案となった。

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