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「ファスト映画」を見た人、編集した人、アップした人…罪に問われるのはどの人?

弁護士が詳しく解説

被害総額は956億円という試算も

6月からさまざまなメディアで大きく伝えられ、ついには逮捕者まで出た「ファスト映画」問題。

ファスト映画とは、映画の映像や静止画に勝手に字幕やナレーションを付けて10分程度に編集し、ストーリーを結末まで紹介している動画のことで、コロナ禍による「巣ごもり需要」を当て込み、20年春頃からYouTubeに投稿が急増していた。

すでに3名の逮捕者が出る中、7月7日には、新たに関東在住の男性ら2名が著作権法違反の容疑で仙台地方検察庁に送致された。ナレーションを担当した者にも共謀の疑いがかけられているという。

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YouTube上には少なくとも55のファスト映画アカウントが存在し、投稿されていた動画はなんと2100本あまり。中には1本で700万回近く再生されている動画もあり、ひと月に数百万円という収入を得ている“違法投稿者”もいたという。

6月14日時点で総再生回数は4億7700万回、被害総額は956億円にものぼると試算されているが、被害がここまで膨れ上がる前に、何らかの措置や対策はできなかったのだろうか。

「実は1年以上前から、ファスト映画摘発に向けさまざまなアクションを起こしていました」

そう語るのは、ファスト映画問題を早期から調査し、警察の捜査にも協力をしてきた弁護士法人東京フレックス法律事務所・中島博之弁護士だ。

 

「警察とタッグを組み、無断使用されていた映画作品の権利会社2社にまず話をしたのですが、1社には『使われているのは古い作品だから、今から対応するのは面倒臭い』と断られてしまった。もう1社からは『あなたが裁判費用を全部出してくれるなら、やってもいい』と……。

それでも刑事事件化ができるならばと了承し、情報開示に向けた裁判の準備を進めていたのですが、裁判所命令が出る直前でその会社に『手間がかかるからやっぱりやめる』と言われてしまい、それまでの手続きがすべて白紙に戻ってしまったのです」(中島弁護士・以下同)

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