2021.07.06
# 政局 # 中国

胡春華は「次期中国首相」になれるのか…熾烈な権力闘争が再び始まった

共産党成立100周年大会を終えて

「中南海」でこれから起こること

先週7月1日は、「慶祝中国共産党成立100周年大会」が、北京で盛大に挙行され、日本を含む世界で大々的に報道された。まさに「習近平の習近平による習近平のための巨大イベント」だった。

毛沢東式の灰色の人民服に身を包んで天安門の楼台に登壇した習近平総書記は、ものすごい存在感を見せつけた。

〔PHOTO〕gettyimages

日本を含む世界では、そんなニュースを報道して終わりだが、中国はここからが始まりである。なぜなら、1時間5分に及んだ習近平総書記の「重要講話」を、必死に学習しなければならないからだ。

9514万8000人(6月5日現在)の中国共産党員は、おそらく全員が、これから習総書記の長い重要講話を手書きで書き取って学習することになるだろう。日本の自民党の84個分もある世界一の巨大政党の党員たちが、トップのお言葉を金科玉条の如く仰ぐ様は、日本ではなかなか想像しにくいだろうが、それが「習近平新時代」の中国共産党員の宿命というものだ。

それでも中国で共産党員は、いわば特権階級である。5月11日に中国国家統計局が発表した最新人口14億1178万人のわずか6.7%しか党員になれない。彼らは政財官学などの各界で、指導的な立場に立つ人々なのだ。

それでは、非共産党員は習近平総書記の重要講話を無視してよいかと言えば、そんなことはない。中国全土で「万衆心向党」(万人民衆の心は党に向かう)というキャンペーンを行っており、生活の中に様々な形で「習近平総書記の教え」が闖入してくるからだ。

学校教育の現場でも、「習近平思想」(習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想)の学習が始まっており、9月からの新学期ではさらに強化される予定だ。

北京にはすでに先週6月26日、「習近平法治思想研究センター」なる機関が設置された。これはかつての「毛沢東語録」のような「習近平語録」を作り、啓蒙していく部署ではないだろうか?

それでは、北京の最高幹部の職住地である「中南海」では、重要大会を終えてこれから何が起こるかと言えば、それは来年秋の第20回中国共産党大会に向けた激烈な権力闘争である。

中国の政治制度は、日本などの民主国家と違って、3つのものが欠けている。野党による政権追及、メディアによる政権批判、有権者による政権審判である。

 

それなら習近平政権はハッピーかと言えば、必ずしもそうではない。国会や選挙がない分、24時間365日が権力闘争の日々だからだ。共産党幹部たちにとって、自分の平素の一行動、一発言がすべて、権力闘争に絡んでくる。そのため政治的には、日本などの民主国家よりも、はるかに緊張感に満ちている。5年に一度の共産党大会まで一年を切ると、なおさらである。

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