2021.07.06
# 野球

大谷翔平はもはや「ブーム」でなく「現象」だ…! 米記者たちが明かす“本当の評価”

永塚 和志 プロフィール

ただ、大谷の人気や注目度がどこまで市井にまで及び、野球の人気上昇に寄与しているかというところを測るのは容易ではない。フットボールやバスケットボールに人気で後塵を拝しているといっても、それはあくまで相対的な観点からであって、メジャーリーグは依然として文字通り“メジャーな”プロリーグだ。

昨年はコロナ禍で大幅な減収となってしまったものの、19年の時点でメジャーリーグの収益はNFLの約1兆5000億円に次ぐ1兆円と非常に巨大だ(NBAは約9000億円)。

スペクター記者は、野球が最も視聴者を集めていた時代と今を比べるのは無理があると冷静だ。

「野球が視聴者の多かったかつての時代というのはケーブルテレビがなくて地上波の3チャンネルだけで、インターネットもなかったのだから、21世紀で“特A”クラスのスポーツの扱いに戻ることは非現実的な話さ」

筆者が取材した在米メディアの全員が「大谷の活躍はもっと脚光を浴びてもいいはず」と感じている。上で述べたようなアメリカにおける野球人気の微妙さが、大谷の認知度の爆発を抑えてしまっているという言い方もできるかもしれない。

photo by gettyimages
 

他方で夏以降、大谷が故障等なく今のような高いレベルの活躍を続けるならば、メディアの注目度がさらに増す可能性もある。というのも、今はまだNBAのプレイオフが行われており、アイスホッケーのNHLも本稿執筆段階では優勝決定戦のスタンレーカップ開催中だ。その後には東京五輪もある。今しばらく、スポーツ界での注目が分散されるという状況が続く。

ホーンストラ氏はNBAや五輪が終わればアメリカでの「スポーツにおける舞台は大谷が独り占めして、これまでの活躍が引き続きできるならば知名度はもっと上がるはずだ」と言う。

今月13日(日本時間14日)にコロラド州デンバー開催のオールスターゲームへの出場も決定した。日本人選手として初めてホームランダービーに出ることにもなっている。また同ゲームで投手、打者の両方で選出された初の選手となった。

ここでの活躍次第では、さっそく彼の名前が普段野球に親しんでいない層にまで食い込んでいくかもしれない。

これからまだ、大谷という「現象」がさらに膨らんでいく可能性はありそうだ。

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