2021.07.11
# 英語

日本人が英語を「話せる」ようにならない「本当の理由」

海外育ちの僕が気づいた「恥」の罠
中川 諒 プロフィール

アビリティよりメンタリティが大切

エジプトの幼稚園で鍛えた英語を引っさげて、大人になってから海外で仕事をしてみて思ったのは、苦手とは自分の出来不出来ではなく、意識の問題だということだ。苦手意識という言葉の通り、一度できないと決めつけてしまうとそこで思考が停止して、できるようになる方法を探すことすらあきらめてしまう。

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英語に苦手意識があったとしても、できることはたくさんある。僕は南仏カンヌで行われる世界最大の広告クリエイティブの祭典「カンヌクリエイティビティフェスティバル」内で催された「ヤングクリエイティブアカデミー」に参加した。世界中から若手広告クリエイター25人が選抜され、開催期間は5日間。

参加にあたって僕が何をしたかというと、事前に100円ショップで筆ペンを買い込んで現地入りした。自己紹介の際に相手の名前を漢字の当て字で書いて、名前をストーリー仕立てにして説明したのだ。皆からは「クリエイティブだ」と大変喜ばれ、一番の人気者になった。

英語で仲良くなるために、日本語を使ったのだ。幼稚園のときに覚えた拙い英語であっても、僕の相手に対する仲良くなろうとしている姿勢は伝わったに違いない。

大切なのはAbility(能力)よりもMentality(姿勢)なのだ。これはどうしても自分を他人と比べてしまう人にも有効なアドバイスである。「能力で戦うな。姿勢で戦え」。今できることに自信がなくても、物事に取り組む姿勢を大切にすることで、行動への心理的ハードルも下がる。結果、勇気をもって一歩を踏み出すことができるのだ。

 

人生100年時代。自分が今就いている仕事を10年後、20年後も続けているとは限らない。ひとつのスキルやキャリアでは、これからの社会人生活は乗り切れそうにない。

それと同時に、これからは新しいことにチャレンジする機会も増えていくだろう。言語や文化の違う人と仕事をする機会も増えていくに違いない。自分の恥をどう捉えるかでわたしたちの未来は大きく変わる。

恥ずかしいのは、あなたがこれまでと違うことにチャレンジできている証拠だ。恥はチャンスの目印になるのである。恥は若者だけのものではない。これからは、いくつになっても恥をかける人になる必要がある。

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