写真:講談社資料センター

〈追悼〉立花隆の「伝説の東大講義」を、現役東大生たちが読み返す

今なお古びることのない「先見の明」
多くの優れたノンフィクション作品を著した「知の巨人」立花隆さんが、80歳で亡くなった。今年2月刊行の現代新書『サピエンスの未来 伝説の東大講義』が、立花さんの生前最後の作品となった。

立花さんを偲び、現役東大生たち3人が「伝説の東大講義」を読み解いて学んだことについて語り合う
 

立花隆さんの印象

ケン 立花隆さんには、どんな印象を持っていましたか? 僕の中では立花さんといえば、小学生の時に読んだ『宇宙からの帰還』(中央公論新社)の著者という印象が強いです。この本を読んで、宇宙飛行士の皆さんの体験談の迫力に圧倒されたのが記憶に残っています。

ユウ 私は立花さんについては、以前『死はこわくない』(文藝春秋)のインタビュー動画をYouTubeで見たことがあって、そのイメージですね。立花さんが動画の中でお話されているのを見て、懐の広そうな方だなと思っていました。あとは、立花さんの書庫兼仕事場だった「猫ビル」の印象がありました。

『死は怖くない』立花隆インタビュー(YouTube)

トモ 僕は、もはや立花さんは「歴史上の人物」だと認識していました。僕たちが高校で使っていた日本史の資料集には、立花さんが発表した「田中角栄研究」が田中角栄内閣の総辞職につながったことが載っていますよね。だから、今年2月に現代新書から「生ける伝説」である立花さんの著書が刊行されると知った時には、「あの立花隆さんの新刊が!」と驚きました。

ケン この『サピエンスの未来』の元となったのは、1996年に東大で行われた講義ですよね。僕も実のところ、25年前の講義録がいま出版されることには少しびっくりしました。でも、読んでみたら、25年前ということを感じさせない面白さでした。もちろん読んでいて、当時のテクノロジー水準などの時代背景を感じることはなくはないのですが、議論はまったく古くなっていないと思いました。皆さんはこの本について、どんな感想を持ちましたか?

ユウ 手に取った時に「分厚い本だな!」と思ったのが第一印象でした(笑)。

トモ 現代新書には厚い本が多いけれど、この本もかなり厚いですよね。立花さんも「はじめに」で、「本の内容をすべて理解する必要はなく、面白そうなところだけつまみ食いすればよい」と書いているから、自分は最初つまみ食いして読もうと思ったくらい長い(笑)。でも、読み始めてみたら、この本は最初から最後まで通して読んだ方が絶対に面白いと思いました。

ケン 『サピエンスの未来』は、立花さんがまさに目の前で講義をしているかのようなライブ感のある筆致だから、質量ともに充実しているにもかかわらず、すらすら読めますよね。流れるように話が展開するから、僕も通して読んだ方が楽しめる気がします。

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