なぜSNSでは「こんなにも話が噛み合わない」のか? その「思いがけない理由」

人間の「認知」が原因かもしれない
藤田 政博 プロフィール

このように、私たちは自分の持っている仮説に大きく影響されて認識を行います。場合によってはその影響を受けた法改正が行われることもあります。

ですから、今の日本で少年による凶悪犯罪はどのくらい起こっているのか知りたいと思ったら、必ず犯罪白書等の統計に当たる必要があります。もちろん、統計は完全ではないので読むのには注意が必要ですが、確証バイアスに陥るよりも、よく状況を理解できるでしょう。

ちなみに、実際に令和2年版犯罪白書をひもといてみると、少年犯罪の検挙人員数は、ピークの昭和58年頃が30万人強であったのに対し、令和2年は3万7000人程度と、大幅に減少していることが確認できます

本来、当てはまる事例があるから仮説が妥当だと言うためには、その事例がどれくらい一般的なものかを考える必要があります。仮にそれが非常に特殊な少数例ならば、仮説が成り立つのは非常に限られた場合かもしれません。普通、仮説が正しいと主張したい場合は、その仮説が広く成り立つということを言いたいはずです。仮説が成り立つ場合が極端に少なかったり、仮説が成り立つ確率が低い場合に、仮説が正しいと言ってしまうのは問題です。

 

近年、インターネットにおける分断が問題になっています。すなわち、SNSやニュースサイトなど、自分の考えに合った情報や意見を見て自分の考えを確認し、他の考えや見方があることに気づかない、あるいは不寛容になることが起きています。

私たちには、確証バイアスを持って情報を選択的に取り込み、自分と同じ意見を持っている人の反応を見て自分の考えが正しいと思う傾向があります。こういった傾向が通信手段の発達によって発揮されやすい状況が整っているために分断が起きていると考えることができそうです。

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