なぜSNSでは「こんなにも話が噛み合わない」のか? その「思いがけない理由」

人間の「認知」が原因かもしれない
藤田 政博 プロフィール

そのような思い込み(仮説)があると、自分の周囲の情報、たとえばインターネット上の情報や新聞を見たときに、有名人のだれそれが離婚したという情報や、定年まで頑張ってきた元企業戦士が定年後に熟年離婚の憂き目にあったというストーリーなどが目につくようになります。ネットニュースや新聞などの情報源のなかから、自分の仮説を肯定するような情報を無意識に選択するのです。それによって自分の仮説は正しいと感じます。

私たちは、自分が見聞きした膨大な情報のなかから何を取り入れるかを、無意識的な情報処理過程でふるいにかけています。自分の注意が向いている情報が、情報の選択フィルターを通過します。また、最近見たり聞いたり考えたりした情報のうち、自分の心内ですぐに思い出しやすいものは判断に利用されやすくなります(プライミング効果)。

自分の仮説には注意が向きやすいでしょうし、また、自分の心のなかで思い出しやすい状態になっているでしょう。そうすると、自分の仮説に合った情報が目につくようになるのです。

 

どうすればよく状況を理解できるか

確証バイアスでは自分の仮説に合致する例を探します。先ほどの、離婚が多いという話の例で言うと、自分の親戚で離婚した人がいる、といった事例を挙げることなどです。

また、「少年の凶悪犯罪が多い」という仮説を持っているときに、少年による衝撃的な凶悪犯罪の報道が連日されることがあったとします。たった一事例であってもこのような例に接すると、「少年の凶悪犯罪は多い」という仮説が検証されたと思ってしまうのです。さらに、目立つ事象はよく起きていると感じるバイアスもあるので、ますますそのように感じられます。

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