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感染急拡大中のインドネシアで湧き上がる「中国製ワクチン」への不信感

政府の対策は後手後手かつ消極的で

医療現場は既に崩壊の危機

東南アジアの大国インドネシアでコロナ感染が急速に拡大している。6月24日には1日の感染者数が2万人を超え、ロシアやイラン、フィリピンなどの感染拡大国を抑えて、世界一という不名誉極まりない数字となった。

さらに医療現場でも、優先的にワクチン接種を受けた医療関係者300人以上がコロナに感染して加療、入院する事態になっている。ワクチン接種を受けて感染した医師10人が死亡したとの報道も流れるなど、インドネシアの医療現場ではすでに危機的な状況が生まれつつある。

こうした「今そこにある危機」に対して、ジョコ・ウィドド大統領率いる政府、さらに首都ジャカルタのジャカルタ州政府は、経済活動への影響を懸念するあまり、「ロックダウン(都市封鎖)」というような厳しい対応策をとることには未だ躊躇しており、それがまた感染拡大の劫火に油を注ぐ結果となっているという。

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東南アジア諸国連合(ASEAN)で最大の人口を擁するインドネシアのコロナ感染拡大は、周辺国や国際社会への影響も深刻で、香港などは早くもインドネシアからの航空便の着陸禁止を打ち出している。

さらにこれまでコロナ禍にもかかわらず「ビジネスの再開」「操業や営業の正常化への復帰」を掲げていたインドネシア進出の日系企業も6月に入ってようやく事態の深刻さを再認識し、駐在員や帯同家族の帰国という方向に舵をきっているという。このためジャカルタから成田に向かう日本航空の各便は予約で満席状態が続いているという。

このように在留日本人社会が真剣に危機感を抱き始めているとはいえ、インドネシア政府、地方政府、保健当局の危機対応はまだ切迫段階ではなく、今後もしばらく、コロナ感染拡大の波がインドネシアに押し寄せることになりそうだ。

ジャカルタ在住の日本人の間では、インドネシア人が撮影したある動画が話題となっている。

ジャカルタ郊外のブカシにある病院とされるこの動画には、病院の前庭に直に横たわる男性や車いすの女性、トラックの荷台に横たわる男性などが映っている。いずれも酸素吸入を受けており、防護服に身を固めた病院関係者のよるPCR検査を受けていることから、コロナ感染の疑いがある人々であることがわかる。

 

コロナ感染者、感染の疑いのある患者を収容、治療する医療機関はすでに数ヵ月前から危機的な満床状態に直面している。病床の状況はジャカルタで6月23日現在、隔離病床占有率90%、ICU占有率は86%となり、医療崩壊の瀬戸際にあるといえる状況が続いている。

インドネシアにおける医療崩壊はすでに現実の問題となっているといえるだろう。

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