駿河湾を臨む三保の松原
# CSR

「令和の公害事件」に発展しかねない…「静岡の水」を我が物顔で使う企業の疑惑

「CSRの遵守」を標榜しているが…

サクラエビがまったく獲れなくなってしまった

駿河湾のサクラエビが壊滅的な不漁に陥っている。

原因として、日本軽金属(以下、日軽金)が出資する採石業者が富士川支流に不法投棄した汚泥に含まれていた薬剤が疑われている問題で、静岡県の富士宮市議会は7月5日に本会議を開き、国と山梨、静岡両県に原因究明のため河川の水質や河床の本格的な調査と環境の改善策実施を求める請願を採択する見通しだ。

日本軽金属が入る天王洲郵船ビル/ウィキメディア・コモンズより
 

静岡新聞が報じたもので、富士川流域の自治体によるこうした請願は初めてだ。

同紙が3年越しで追及してきた日軽金グループの環境破壊疑惑は多岐に及び、関係者の間で早くから、水俣病やイタイイタイ病といった「昭和の公害」に匹敵する「令和の公害」事件に発展しかねないと懸念する声もあがっていた。

その実態がようやく解明に向けて動き出す可能性があり、我々も注意深く見守っていく必要がある。というのも、この疑惑は富士川水系や駿河湾の環境汚染にとどまらず、我々が月々支払う電気料金を押し上げていた可能性も否定できないからだ。

現下の最大の焦点は、採石業者「ニッケイ工業」(山梨県早川町)など2社が、長年にわたって石油由来の高分子凝集剤「アクリルアミドポリマー」などが混ざった産業廃棄物の汚泥を雨畑川に不法投棄していたことだ。

雨畑川は早川を経て駿河湾に流れ込む富士川水系の河川で、ニッケイ工業は、富士川水系に6つの発電用ダムを持つアルミ加工大手の日軽金が10%を出資し、雨畑ダムの砂利採取などを委託してきた協力会社である。

不法投棄の発覚は2019年7月のこと。山梨県は3カ月後に、汚泥の河原からの除去を勧告した。しかし、両社が撤去できた汚泥は、県に提出した当初計画(3798立方メートル)の4分の1にも満たなかった。日軽金が上流に持つ雨畑ダムの放流によって、汚泥の大半は下流域に流出したものとみられている。

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