「病名伝えるべきか…」 AYA世代のがん経験者が就活で感じた“本音”

がんをありのままに伝えられる社会へ
松井 基浩 プロフィール

病名を告げられなかったケースも

Bさんは22歳、大学4年生の5月に白血病を患う。理系の大学に通っていたので、大学院に進んだが、大学院1年生の時に「がんと就労」の問題に直面した。白血病のがん患者団体の集まりに参加し、自身と同じ病気を経験した先輩が、「病気発覚後に内定を取り消された」というエピソードを耳にしたのだ。

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「その先輩はまったく同じ病気で同じ治療法だったので、その時に『がんは就労に不利になる』という事実を初めて知りました。それから自分の担当医だったり、周りの社会人だったり、どうしたらいいのかなということを相談するようになりました」(Bさん)

 

Bさんの周りには当時、「就職活動中は病気のことは言わなくてもいい」と助言をくれた人が多く、Bさん自身の見聞きしたエピソードも合わさって、病気のことを伝えるか伝えないのか悩んだまま、結局、伝られずに就職活動を行った。内定が出た後も会社にわざわざ伝えるべきことなのかわからず、そのままの就職になった。

しかし、入社後も定期的に通院日が存在する。Bさんはここで初めて会社の人事担当者に病気の経験を伝えることになった。

「ハードルはすごく高くて、こわかったです。事実を伝えてその場で『うちの会社ではちょっと』という可能性も無くは無かったので。結果論では私の勤める会社は人事担当者が親身になって考えてくれたので、私の場合『伝える』という選択肢で良かったのだと思います。ただ周りの当事者の話を聞くと、がんとわかったら社長室につれていかれて、希望退職届けを書かされたという人もいました。やっぱり何が正解なのかはわからないです」(Bさん)

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