2021.07.04
# Amazon

小売り最強・ウォルマート、いつのまにか「巨大なメディア企業」に“大変身”していた…!

田中 道昭 プロフィール

もとより世界一の小売り企業であるウォルマートは、リアル店舗のインフラをすでに持っていた。そこにスーパーアプリを開発、導入することで圧倒的な規模をもつ「リアル×デジタルの融合」が実現してしまったのである。

それは「スーパーセンター×スーパーアプリ帝国」と呼ぶにふさわしい巨大帝国の誕生を意味していた。

それだけではない。

リアル×デジタルの融合で得た最大の利点は、さらにリアルとデジタルの双方で顧客との接点を獲得したことにある。そこで、ウォルマートは、間髪入れずに「広告プラットフォーム事業」に進出する。彼らはDXをなしとげたことで、さらに途方もなく巨大なビジネス分野に乗り出す新たな成長戦略を得たのである。

 

ものすごい帝国ができてしまった……

ここでウォルマートのレイヤー構造を示しておこう。

多層的なウォルマートのビジネスの構造。(筆者作成)
 

EC、ヘルス&ウェルネス、金融サービスという中核業務を明確にし、それらが縦横に絡みあうものになっている。特に注目すべきは、「顧客ID及びデータ」の分野である。

ウォルマートペイでECを展開するわけなので、顧客IDが当然紐づいている。それは顧客の購買思考などあらゆるデータを獲得していることに他ならない。

こうした顧客データを獲得することで可能になるのは、言うまでもなくマーケティング戦略の新展開である。

2021年1月、ウォルマートは広告PF事業「Wallmart Connect」をスタートさせた。そこで構想された目標は「5年以内に全米トップ10の広告プラットフォームを目指す」ことだった。

これが何を意味するかは自明である。世界最大の小売企業だったウォルマートは、巨大な「メディア企業」と変貌しようとしているのである。

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