2021.07.04
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小売り最強・ウォルマート、いつのまにか「巨大なメディア企業」に“大変身”していた…!

田中 道昭 プロフィール

ウォルマート、コロナ禍の「DX戦略」

彼らはコロナ禍を奇貨として一気にDXを進展させた。そのことが「5年分の成長を5週間で達成した」ことにつながるわけだが、いったい何をしたのだろうか。

具体的に、以下の3つのポイントが挙げられる。

(1)3密回避需要を受けキャッシュレス機能搭載のアプリが消費者に浸透(デジタルで顧客とつながる)

(2)同アプリにより、アプリで注文・指示、店舗で商品受取の流れが加速 (デジタルで利便性向上)

(3)リアルとデジタル双方での顧客接点を活かし広告プラットフォーム事業展開 (デジタルで成長戦略展開)

ご存知の通りアメリカでは、新型コロナ感染症の死者が非常に多く、3密回避の需要が日本より圧倒的に高かった。特に毎日、口にする生鮮食料品は、従来どおりの手渡しと、現金支払いの取引だと不安が大きい。

そこでキャッシュレス決済が可能なウォルマート・アプリが一気に拡大していった。

コロナ禍でウォルマート・アプリが顧客に浸透した。Photo/Gettyimages
 

顧客はアプリを使って商品をピックアップし、キャッシュレス決済する。そのうえで、店舗や宅配などで商品を受け取ることができる。顧客は従来の取引よりも、格段に向上した利便性を体験した。こうしてウォルマート・アプリは圧倒的なユーザーを獲得することに成功したのだ。

筆者は過去の企業でアマゾンやアリババの米中の巨大EC企業が展開するスーパーアプリがリアル店舗に染み出していく「オンライン・マージ・オフライン」を紹介した。そこで、アマゾンペイやアリペイなど決済機能や宅配機能を持つテック企業がリアル店舗に染み出せば、買い物籠もいらない、レジに並ぶ必要もない、かさばる荷物を持って歩く必要もない便利な百貨店やコンビニが誕生したことも詳報した。

そうしたメガテック企業と対極にあったウォルマートだが、逆に決済機能を持ったスーパーアプリを独自開発し、DXを成功させることで、日用品、食料品などの巨大スーパーの利便性を画期的に押し上げたのだ。

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