# インフラ

水に恵まれた日本でついに始まる「水道民営化」…待ち受ける「大きな落とし穴」

水道水を直接飲める国でいられるか?
鷲尾 香一 プロフィール

単なる官民連携とは違う

多くのメディアは「水道事業の民営化」と報道するが、厳密にはこれは間違いだ。

水道事業そのものを民営化するのであれば、設備、土地を含め事業全体が民間企業に移るが改正水道法で認められたのは、水道管などの所有権を移転することなく、水道事業の運営のみを民間企業に任せる「コンセッション方式」の導入だ。

この背景には、日本の水道事業の採算悪化がある。厚生労働省によると、人口減少などにより水道水の需要が減少しているため、料金収入は2001年度の2兆5463億円をピークに減少が続いている。さらに、50年後の需要水量は2000年度に比べて約4割減る見通しだ。

その上、水道管の老朽化も進んでいる。総務省によると、法定耐用年数を超えた水道管延長の割合は全国で15%にのぼる。水道水需要の減少と水道管の更新費用が、水道事業に重くのしかかっている。

 

「コンセッション方式」を導入すれば、水道事業の運営権を民間企業に売却することが可能になるため、自治体は売却代金により水道事業の赤字などを削減することが可能となる。

だが、「コンセッション方式」が単なる官民連携と違うのは、官民連携では官が経営主体になるのに対して、コンセッション方式は民間企業が経営主体になるため、事業計画、施策などに対する決定権は民間事業にある。

そして、そこには“大きな落とし穴”もある。民間企業が事業を営む以上、採算、利益を重視することにより、水道水の安全性が低下する危険性が懸念されるだけではなく、逆に水道料金の上昇が予想されるのだ。

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