学校で習ったはずの「関数」と「変数」——ちゃんと説明できますか?

仮説を数式で表現する「代数学」の魅力

「ある結果に対して影響を与える要因を特定し、その因果関係を明確化する」これはビジネスマンにとって不可欠の能力でしょう。
実は数学にはこれと同様の発想で思考を進める「代数学」という分野があります。ではいったい代数学ではどのような内容を扱うのでしょうか。また実際のビジネスの現場ではどのような形で応用できるのでしょうか。
今回は難しい数式や公式も計算も徹底的に減らすことで、数学的な思考のエッセンスがみるみる分かる話題の新刊『数学独習法』(講談社現代新書)より、具体例を通して代数学の概要をわかりやすく紹介した一節を特別に公開します。

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仮説思考はビジネスに必須

人間社会にも自然界にも、分からないことがたくさんあります。

けれども、分からないからといって思考が止まってしまえば、文明の発展はあり得なかったでしょう。「仮説」を立てて思考を進めていかなければなりません。そういうとき、文系ビジネスマンならどうするでしょうか?

戦略コンサルタントの世界では、「仮説思考」という言葉があります。新しいビジネスを始めるとき、手元にある限られた情報から仮説を立ててストーリーを組み上げていく思考法のことです。

例えば、ある自動車メーカーの販売が他社に比べて不調だったとしましょう。価格が高すぎる、ディーラーなどの販売チャネルが効率的でない、宣伝が足りない、などといった仮説を立てて対応策を検討していきます。

このような思考法は数学でも使われていて、代数学という分野を形成しています。ただし数学なので、仮説は数字や数式に落とせるほど明確でなければなりません。つまり代数学は、自分の仮説を明確にするための学問なのです。一言でいうと、

代数学=仮説を明確にする道具

ということです。

 

変数ってなんだ?

代数学では、自分がまだ把握できていない未知の数字があるとき、それをxやyなどという文字で置き換えて式を立て、思考を進めていきます。字を文字で用する学問なので「代数学」と呼ばれます。

もちろん、使う文字はxやy以外でも大丈夫で、「あ」でも「☆」でも「甲」でもいいのですが、西洋で発展した学問であるため、通常は英語やギリシア語のアルファベットを使います。このように、数字を代用するときに使った文字のことを「変数(へんすう)」と呼びます。

x, yは変数(Photo by iStock)

文字なのに“数”と付くのは違和感があるかもしれませんが、もともとは数だったものを置き換えたので、そのことを忘れないように“数”と呼ぶのです。また、“変”という字には、入る数字は変えてもいいよという意味が込められています。

例えば、「y=x+3」という式があるとき、xには1を入れてもいいし、2を入れてもいいし、それ以外の数字を入れてもかまいません。つまり「変数」は、そこに何らかの数字が入る箱のようなものだと考えて下さい。

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