Photo by iStock

日焼け止めは“原子の構造”にも関係していた?——現役東大生のサイエンス入門

好評連載「現役東大生のサイエンス入門」。今回は、夏の必需品"日焼け止め"の仕組みを解説していただきました。なんと、そのメカニズムには原子の内部構造も関係しているとか……

まだ6月だというのに、日差しの厳しい日も多くありますね。これから、油断すると日焼けで肌がひりついてしまう季節がくるのだ、ということを感じさせられます。そこで今回は、日焼け止めについてのお話をお届けしたいと思います。

二種類の日焼け「サンタン」と「サンバーン」

知っている方も多いかもしれませんが、日焼けは太陽から放たれる「紫外線」によって引き起こされます。紫外線というのは光の1種なのですが、物を照らすのに使う照明の光と違い、私達には直接見ることができず、また、より大きいエネルギーを持っています。体内でのビタミンDの産生を促すなど、私達の役に立つこともある一方で好ましくないことも起こし、日焼けはその1つといえます。

ちなみに、日焼けと一口に言っても種類があり、紫外線が皮膚の奥へ行かないように色素のメラニンが合成されて肌が黒ずむサンタンと、急に強い紫外線を浴びたためにやけどのように肌が炎症を起こすサンバーンがあります。特に、サンバーンを繰り返すことは皮膚がんの原因になることがあるようです。

では、日焼け止めはどのような仕組みで、日焼けなどの原因となる紫外線から肌を守るのでしょうか。その肝となるのが、紫外線防御剤と呼ばれる薬品です。紫外線防御剤は、その原理によって2通りに区別できます。

日焼け Photo by iStock

"吸収"によって紫外線を防ぐ

一つ目が、紫外線吸収剤です。紫外線が当たると紫外線を吸収し、そのエネルギーを熱や、よりエネルギーの小さい赤外線に変えます。そうすれば、紫外線のエネルギーは、肌に大きな影響を与えることなく使われてしまうことになります。

少し詳しく説明すると、紫外線吸収剤に限らずこの世にある物は全て、拡大していくと原子という小さな粒の集まりでできており、原子をさらに拡大してみるとそれ自体は「原子核」とその周りにある「電子」でできています。

電子の状態が変わる時にエネルギーが入ったり出たりする性質があるので、それを利用して紫外線のエネルギーを変換しているのです。エネルギーを変換する内に紫外線吸収剤自体が変化してしまうので、定期的に塗りなおしたり、肌が敏感な人は肌荒れに気を付けたりする必要があります。

原子模型(酸素原子) 電子(青)の軌道が変わることでエネルギーが入ったり出たりする Photo by iStock

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/