離婚した家庭で、子と親が面会する権利については、様々な議論がなされる。DVなどの問題が絡んでくると一層複雑だ。なにより大切なのは子供たちの意思のはずだが、物心つかない子供に「意思」を聞くのも難しい。しかしそれが未婚である場合、その親に会わせていないことはどれほどの問題になってくるのだろうか。

現在NYに暮らしているナナさんは、ヤンマというアパレル会社のデザイナー兼社長である。未婚の母として16年前に出産、認知などは一切求めず、ひとりで娘を育ててきた。そして父親が誰だということを娘にあえて言うこともなく、ふたりで楽しく暮らしてきた。NYへ移住したのも、未婚の母子家庭が日本では特殊にみられるのではという思いもあったという。

そんなナナさんが、49年間結婚したいと思わなかったにも関わらず、2年前からしている婚活についてリアルに伝える連載「NY婚活日記」。2回目の前編ではつき合うようになった彼が「娘を実の父親と会わせることが必要だ」と迫ってきたことを機に、14年父親のことを話したことのなかった娘に「本音」を聞いたことをお届けした。今回ははその反応を受けた彼の「意見」とナナさんが考えた「子どもの権利」についてお届けする。

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今すぐに会わせろ!と強硬に…

「この前 、Nちゃんは父親に会ったことがあるのに、会ったことはないってナナさんは嘘ついてると言ってましたよね? それをNちゃんに言ってください」

未婚で産んだ14歳の娘のNが、実の父親のことを今まで気にしていなかったということ、しかしどんな人なのかをきちんと伝えたことを報告した私。ただひとつだけ、本当は一度会ったことがある事実についてだけは噓を突いてしまったという私に、彼はすごい剣幕でこう言ってきました。

えええ、なんで!?

「どうして言えないんですか? その人がどうしようもない人だからですか?どんな悪党だろうと、養育費を払ってなかろうと、彼は彼女の父親ですよ」

はあ……なんか言ってることはわかるのだが、他人のあなたがとやかくいうことかな……(ちなみに私の場合は私の一存で勝手に生んでいるので養育費をもらえる立ち場でないと思っていました 。本来は養育費はきちんと支払われなくてはならない、とても重要なことです。特にアメリカでは養育費の未払いについては刑罰が下ると知り、「親の責任」に対する考え方も日本の遅れを感じることになります)。

「僕はこれを言うために、ナナさんと付き合うことにしたんです。こんなこと他人じゃ言えないから」
どひゃーーーん。確かに言ってることはわからなくもないけどーーー!

「僕はこの問題をナナさんが理解できないのなら、ナナさんと付き合えません」

そうなの!? じゃあもう付き合わなくていいんだけど! と即座に考え出している私。しかし、こんな速攻でまた別れるのか……こらえ性なさすぎだろ私、ともう一人の私が囁く。私は会話を終わらせたくて、うん、うん、と頷いていたのですが、そんなことが通用する相手ではなく、

「ちゃんと考えてるんですか? 言いにくいのなら僕からNちゃんに言いましょうか?」

はああああ??? なんで貴方が言うのーーー!? やめてーーー!
この会話、3時間くらい続きました。

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