中国をけん制するための「安定的敵対関係」!? 「二大核大国」による首脳会談のウラ事情

亀山 陽司 プロフィール

中国は神経質に

さて、肝心の中国の反応はといえば、米露首脳会談にかなり神経質になっている。

中国外務省は米露首脳会談を前に、「中露の団結は山のように動かない」とし、「中露の関係を引き裂こうとする者に忠告する、いかなるたくらみも思い通りにはならない」と述べている。

習近平国家主席/photo by gettyimages

また、国営メディアは「アメリカは中露両国との関係悪化に耐えられない」と評したということだ。この発言の裏を返せば、「中国は米露両国との関係悪化に耐えられない」ということである。

実際には米露の関係が軍備管理の枠を超えて改善するということは考えられない。しかしながら、中国のこうした懸念には理由がある。1960年代の中ソ対立と、その後の米中接近だ。

当時、中国共産党はソ連と軍事衝突し、ソ連を覇権主義として批判し、米国を帝国主義と批判していた。米中ソは三つ巴の対立関係にあった。

 

そのような中で、ニクソン大統領はキッシンジャー補佐官を使って極秘に訪中を準備し、世界に衝撃を与えた。米中接近はソ連に大きな衝撃を与え、ソ連が日本との関係を改善しようと北方領土問題の譲歩に動いたほどであった。

当時の中国はソ連を出し抜いたと得意満面だっただろうが、今日の中国は、同じことをやられるのではないかと、『米露接近』の影に神経をとがらせているというわけである。

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