中国をけん制するための「安定的敵対関係」!? 「二大核大国」による首脳会談のウラ事情

亀山 陽司 プロフィール

「ロシアとは現状維持」「中国の相手はしてやる」

バイデン大統領/photo by gettyimages

米露関係の歴史を見れば、両国が軍備管理の対話・交渉を始めるということは関係の改善を模索しているということを意味している。

米露間では、互いの核兵器をちらつかせながら、軍備管理の話し合いをすることで、意思疎通を図り、関係を維持してきたのである。それが、「安定的敵対関係」という意味であり、つまるところ、米露関係とはそれ以上のものではないとも言える。

その意味では、今回の会談は、まさしく米露関係を正常化した。同時に、それ以外の問題、ウクライナ問題、ナヴァリヌイ問題などでは、両者の隔たりは全く埋まっていない。しかし、米国にとっては、ロシアに対する軍備を増強する必要はもはやなくなったのである。

 

一方の対中政策はどうか。米国防総省は6月9日、対中戦略の見直しについて、インド太平洋地域の同盟・友好国との協力を強化する方針を明らかにした。

オースティン国防長官は、「抑止力を強化し、新たな作戦概念と将来的な米軍の体制の構築を促進する」と表明している。米国は中国の挑戦に対抗するために軍事上の対中戦略を強化しようとしている。「ロシアとは現状維持」、「中国の挑戦には相手になってやる」というわけだ。

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