中国をけん制するための「安定的敵対関係」!? 「二大核大国」による首脳会談のウラ事情

亀山 陽司 プロフィール

核大国として米国に匹敵するのはロシアだけ

この声明では、核兵器管理へのコミットメントを表明し、核戦争に勝者はなく、決して核戦争を起こしてはならないとの原則を確認した。中でも、戦略的安定に関する包括的な二国間対話を開始することを確認したことは一定の成果と言える。

というのも、二大核大国である米露(米ソ)の関係は、冷戦期を通じて、軍備管理が主要テーマだったからである。軍備管理とは、すなわち核兵器保有数の制限、削減に加え、ABM制限条約などの核抑止、トランプ政権が破棄したINF条約などである。

米ソの冷戦とは、結局のところ、核戦争のリスクをいかに低減できるかという国際政治上の挑戦に他ならなかった。

 

ところが、冷戦が終結し、ソ連が崩壊し、テロとの戦いが進められている中、中国がその隙間を縫って成長してきたのである。トランプ政権は、INF条約を破棄したが、それは中国を野放しにした核軍縮はもはや無意味だとの認識に達したからだ。

本当のところ、ロシアも同じ思いを持っているはずだ。それにもかかわらず、米露間の核軍縮にロシアがこだわっているのは、核大国として米国に匹敵するのはわが国だけだとの自負(見栄)とも言える。

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