中村繁夫[アドバンスト マテリアル ジャパン社長]54歳でリストラの危機から、レアメタルで年商340億円へ

セオリー

 今は、再び起こる資源インフレのタイミングと57種類あるレアメタルの銘柄を見極め、大勝負の時が来るまでに十分な準備をしているときだそうだ。「こっそり」には

「人にわからない商売がまだある。中国だけじゃなくて、誰も買い付けに行ってないところがまだまだある。だからペラペラしゃべらんでもええぞ、という意味もある」

「朝起きたら"Wii Fit"で運動する。こんな風にな!」と実演する社長。サービス精神たっぷりなのだ

  と、中村氏は笑う。

 また、「ひっそり」には、「多少苦しくても歯をくいしばってがんばれ」という意味が込められている。

 この標語は過去の成功体験にしがみつくことなく、「注意深くピンチを回避し、虎視眈々と獲物を狙い、そしてしっかり確実に仕事をものにせよ!」と、ボスが小声で発した指令だろう。

「ま、そんなところですか」と笑って答えたあと、中村氏は話の舵を別の方角に切った。

「・・・家を担保に入れるのも、いろんな人の保証人になるのも、つきつめれば覚悟と使命感があるから。そして、将来起こりうる困難な出来事をピンチと見るのか、チャンスと見るのか、その違いなんです。これらがあるから私は、行動を起こし、多くの経験を積んで、洞察力が高められていった。まずは一歩踏み出すこと、そうすれば人生は確実に変わります」

 28年間のサラリーマン生活と、会社を設立してからの7年間の経営者としての生活を振り返って比較すると、社長を務めた7年間のほうが10倍ほど人生の濃度が濃いそうだ。

「現在のほうが頭脳が全回転している。しかもこれまでとぜんぜん違う頭脳を使っている実感がある。アドレナリンやドーパミンがドクドク出ている感じや!」

 それはあえて困難な道を選んだ結果、洞察力がますます冴え続けていることの証明だ。そこには「人生の充実感」という、得難い「宝物」がある。

[取材・文:倉田隆則 編集:新井公之]