「ママアスリート」という言葉への思い

現在は、「ママアスリート」として数々のメディアに取り上げられている。しかし、本当はそう呼ばれることに対して違和感があるという。
「だって“パパアスリート”って呼ばないじゃないですか。自分の身体を変えて、子どもを産んで、体を戻して、というのがあるからか、特別視されやすいのかなと思うけれど…。これまで積み重ねてきたキャリアを出産で一度切ってしまう、ということは、働く女性も一緒じゃないですか。実はママアスリートは海外では珍しいことではないんです。遠征や試合後のパーティーに連れてきたり…。日本ではママアスリートがまだ“特別な存在”だから、あえてそう呼ばれていると思うんです。それをわざわざ言われないように、ママアスリートが当たり前の存在になってほしいです」

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アスリート、妻、母。3役こなす寺田選手は、夫の佐藤さんと協力しながら、日々の生活を送っている。
「夫とは、子育てや家事の分担もわりとしています。料理、掃除、お弁当、裁縫は私が。子どもの学校や習い事の計画や送迎、土日の公園遊び、ママ友とのつきあいは夫がやっています。週に3日間フルに休める日があるから、そこで娘と話したり、作り置きしたりしています。朝夜は基本的に家にいるので、お風呂に入る時に『今日何やったの?お友達できた?』とかたくさん話をしています。寝る時は絵本を0歳のときからずっと読んでいます。私が読みながら寝ころがり、その間に夫にマッサージとか、体のメンテナンスをしてもらっています。時短ですね(笑)」

夫の佐藤さんは陸上競技連盟のスタッフだった。寺田選手の「基地」がここにあることが伝わる 写真提供/寺田明日香

しかしアスリートは遠征や合宿が付き物。長期で娘と離れることを娘はどうおもっているのだろうか。ラグビーの合宿のときのことを振り返って寺田選手は言う。

「娘は寂しかったと思うのですが、母親が「何かに向かって頑張っているというのを察知しているのか、それほど変わりなくでした。逆に、母の方が寂しくしちゃって『ごめんね』と泣いてしまったら、『ママの仕事はラグビー、私の仕事は保育園』と言ってくれたんです。そこで夫婦揃って泣いてしまいました」