編集をやりたがらない若手テレビマン
そして、こうした「ベテラン・中堅と若手の下克上」が起きているのは出演者だけではないという。制作会社のプロデューサー・Eさんの証言だ。
「そうした傾向は制作スタッフにも起きています。今の若手テレビマンたちは、VTRを制作したがりません。VTRを制作するのはめんどくさいので敬遠する人も多くて、みんな配信の仕事をしたがります。
配信の仕事は生なので、その場で終わって、徹夜の編集作業もありません。当日2時間、D卓(ディレクターが座る副調整室の送出卓)に座って10万円です。週一回生配信があれば、月40万円になりますから楽ですよね。
それで、こうした楽な生配信の仕事の中には『40代以上NG』という依頼も多かったりするのです。制作スタッフを30歳前後の若手にして、発言の自由を重視するためだそうです」(Eさん)

楽な仕事は若手のみにオファーが来て、大変な仕事はベテランたちが苦労して安いギャラをもらう……。そんな下克上が「裏方」であるテレビマンたちにも到来しているというのだ。
とにかく今、テレビ業界は前代未聞の激変の時代を迎えている。出演者も、裏方も、そして制作するテレビ局や制作会社、芸能事務所にも、変革の大波を避けられる者は誰もいない。
しばらく、テレビ局をはじめとする動画コンテンツ業界から、目を離すことができない状態が続くのは間違いないのだ。