「入院」の場合も窓口負担は変わらない
このほかにも、入院の場合、次の例のように、窓口負担は変わらず、高額療養費の適用を受けて、実際の費用負担が変化しないケースもある。
・骨折で入院した場合(平均在院日数50日で計算):1割負担11.5万円(月57,600円※)→ 2割負担11.5万円(月57,600円※)
・がん(悪性新生物)で入院した場合(平均在院日数22日で計算):1割負担5.8万円(月57,600円※) → 2割負担5.8万円(月57,600円※)
※厚生労働省「参考資料(後期高齢者の窓口負担割合の在り方について)」https://www.mhlw.go.jp/content/000743974.pdf
負担額が2倍となる人は「外来で約6割」
このように、病気や外来・入院の別によって、負担が(それほど)変わらないケースもあるが、前掲の厚生労働省のデータによると、そのような人は少数派。外来診療において「全ての受診月で負担額が2倍となる」人は61%、「それ以外で負担増となる月がある」人は32%と大多数を占める。
そこで、外来受診の負担増加額については、最大でも月3,000円に収まるよう措置を講じるとされた。
ただし、混同してはいけないのは「月3,000円の医療費を負担すればOK」ではない点。あくまでも、増加幅を3,000円に抑えるということで、しかも3年間の期限付きである。
具体的には、負担額が月6 ,000円を超えた場合 (すなわち医療費が 30 ,000円を超えた場合)、超えた医療費について1割負担となるよう、高額療養費の上限額を設定するしくみだ。これによって、1割負担の年間平均約8.3万円が、2割負担後も約10 .9万円(+2 .6万円)に抑えられる(配慮措置なしの場合は約11.7万円(+3.4万円 ))。