2021.06.27

老後の「病気の値段」に大異変! まさか「関節症」「高血圧」は“窓口負担増”、では「がん」は…?

黒田 尚子 プロフィール

意外にも「がん」はそれほど変わらない!

一方で、2割負担になっても、それほど費用が変わらない病気もある。それは意外にも「がん」である。

治療期間が長く、高額な医療費がかかるイメージの重篤な病気だが、平均的な診療間隔(12日)で試算した結果、増えるのは年0.1万円のみ。

・がん(悪性新生物)で通院している場合:1割負担14.3万円 → 2割負担14.4万円(+0.1万円)

ただし、これにはカラクリがある。実は、かかる医療費は確実に増えているのだが、70歳以上の高齢者の場合、すでに、外来の年間負担に上限が設けられている。これが適用されるため、実際に医療費は増えるけれども、実質的な自己負担は抑えられる。

がんは負担があまり増えない photo/iStock
 

このしくみは、高額療養費の「外来年間合算制度」などと呼ばれており、2017年8月、2018年8月に70歳以上の高額療養費の改正が行われた際に導入された。

対象者は、基準日(7月31日)時点の所得区分が、「一般」または「低所得」に該当する人で、計算期間(前年8月1日~7月31日までの期間)のうち、一般または低所得であった月の1年間の外来療養の自己負担限度額の合計が14万4,000円を超えた場合、その超えた金額を支給するというものである。

支給される見込みがある世帯には、自治体から案内が送られてくるが、前述の計算期間中に、他の自治体から引っ越してきた場合など、医療費の総額が把握できない。該当する場合でも書類が郵送されてこない恐れがあるため注意しておこう。

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