かくも楽しきドラマ「時代考証」のウラ側

考証家の特別座談会
大石 学, 門松 秀樹, 山田 順子

龍馬はたしかに史実としてたくさんの手紙を残しているけれど、だからって1日や2日で京から江戸に届くわけじゃないんですからね、と注文をつけました。

またスタジオが明るいんですよ。で、手紙を室内でばさっと開いて、その場で読むでしょう?

大石 当時は、昼間なら縁側などの明るいところ、夜なら行灯の近くなどに行かないと、暗くて手紙を室内では読めませんでした。

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山田 だから私、いつも照明さんのところに行っては呪文のように「暗くして~」「暗くして~」と唱えています(笑)。

門松 あと現代人の感覚と違うのは、武士はモノを出しっぱなしにすることがなかったということでしょうか。整理整頓を厳しくしつけられていましたし、そもそもモノが少ない。

朝ドラ『あさが来た』('15年)で、五代友厚(ディーン・フジオカ)が多忙であるということを表現するため、部屋に書類を積み上げている場面があって、それを指摘しました。

ですが、当時の常識を通しすぎると、今の視聴者には違和感があることも多い。バランスが難しいところですね。

 

山田 一般常識レベルの作法で、うっ! と違和感を持つことも最近は多くて。派手で重々しく見えていいからと、床の間に座布団を置いちゃう美術さんとか。

大石 今日、「考証のチェックをお願いします」と送られてきたラフの絵図面では、江戸の商家の暖簾が左から右の横書きになっていました。

門松 あと、考証側と演出側の永遠の課題は、名前の問題ですね。

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