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かくも楽しきドラマ「時代考証」のウラ側

考証家の特別座談会

このところよく聞く「時代考証」という言葉。大河ドラマなどでは、複数の歴史学者がチームを組み、最新研究で明らかになった史実を盛り込むことも。とはいえ、そこは虚構の世界。侃々諤々の舞台裏は。

部下の暴走に驚く井伊直弼

門松 放送中の大河ドラマ『青天を衝け』の時代考証者として発表されているのは私を含めて3人。'19年の年末には声がかかり、以後、台本ができあがってくるとその都度、「考証会議」が組まれるようになりました。

この会議には、考証担当者と監督や助監督を含め、10人前後が出席します。コロナ禍の現在はリモートで行われています。

私の専門は幕末から戦前までの政治史です。とかく悪役になりがちな幕臣の研究をしているので、声がかかったのでしょう。いわば幕府弁護人のような役割です(笑)。

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たとえば今回私が提言したのは「安政の大獄」の主役・井伊直弼の描き方。従来、直弼は朝廷を無視して独裁的にふるまった挙げ句、桜田門外の変で討たれた、ということになっていました。

ですが実際には、米国との通商条約については勅許(天皇の許可)をとるから、交渉はできる限り引き延ばせ、と部下に命じていたことがわかってきた。

 

『青天を衝け』では、交渉の席についてわずか1日で条約を結んだという報告が来て、直弼(岸谷五朗)が「えっ、もう結んじゃったのか!」と驚いて動揺する場面に生かされています。

大石 制作側に意見を取り入れられるのは、考証担当者としては嬉しいものですね。私も経験があります。

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