連続ドラマには「お仕事もの」というジャンルがある。特定の職業について深く掘り下げていくこのジャンルにおいては、「医者もの」「刑事もの」などがメジャーだが、ドラマの原作者が、かつて実際にその職業に従事していたりすると、フィクションにノンフィクションの要素が加味されて、描かれる現場はグッとリアリティを増す。誰もが知っている仕事の裏側を知るという意味では、元銀行員だった池井戸潤さんによる半沢直樹シリーズなどは記憶に新しいところだろう。

さて、7月からスタートする『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ系 水曜夜10時〜)は、タイトルにもある通り、交番勤務の女性2人を主人公にした「お仕事もの」だ。「モーニング」で連載中の『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』の作者である泰三子(やす・みこ)さんは、某県警に10年勤務し、担当編集者の静止も聞かず、公務員の安定を捨てて専業漫画家に転身したツワモノ。原作漫画にも今回のドラマにも、「働くこと」にまつわる恐ろしいまでのリアルが詰め込まれている。

そんな「ハコヅメ」で、安定収入を求めて公務員試験を片っぱしから受け、たまたま警察官になった川合麻依在21歳の永野さんが芸能の世界に足を踏み入れたのは8歳のとき。当時のことを、「このお仕事をここまで続けられるなんて想像していなかったです」と振り返る。

『ハコヅメ~たたかう!交番女子~】の1シーン。永野芽郁さんは公務員試験を受けまくって唯一受かり、警察官になった川合麻依を演じる (c)NTV
-AD-

将来は保育士さんになりたいと思った

「お仕事を始めた当時は、お仕事をしながら、『楽しい〜!』って思うときと、『帰りたいな』って思うときの両方がありました。みんなが学校で授業を受けたり遊んだりしているときに、自分だけ仕事していると、『みんなずるい。私ばっかり、なんでこんなことしなきゃいけないの?』って不満を抱える一方で、大人に囲まれて、褒めてもらえることが嬉しかったり。普通の小学生でいたい気持ちと、お仕事の現場で認められたりするちょっとした優越感みたいな感情が、ずっとループしている感じ(笑)。自分で選んだことなのに、当時はどうしても自分本意になってしまっていましたね」

中学生のとき、社会科の職業体験で保育園に行き、園児たちとコミュニケーションを取ったことが楽しくて、以来、「将来は保育士さんになりたい」と思うようになった。

「芸能のお仕事って、どこからどこまでが仕事なのか、境目が曖昧なんです。当時は、“お仕事”のイメージって、保育士さんにしてもOLさんにしても、毎日決まった時間に仕事場に行って、定時に帰るような認識があって……。私が足を運ぶ現場は、スケジュールはバラバラだし、やることも毎回違う。着飾ることもあって、私の中では、『自分を違う人に変えてくれる場所』という認識でした。なので、『私はこの場所で生きていくんだなぁ』という感覚はなかったです」

撮影/山本倫子
永野芽郁(ながの・めい)
1999年9月24日生まれ、東京都生まれ。09年デビュー。NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(18年)や映画『ひるなかの流星』(17年)で主演を務める。その他、映画『俺物語!!』(15年)、『帝一の國』(17年)、『君は月夜に光り輝く』(19年)、ドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質ですー』(19年)『親バカ青春白書』(20)、CMなど幅広く活躍。2021年7月7日から放送の、『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』にW主演。主演映画『地獄の花園』が公開中。映画『キネマの神様』は8月6日公開。主演映画「そして、バトンは渡された」が10月29日公開予定。