歌で振り返る、天皇皇后両陛下のあゆみ

天皇皇后両陛下の結婚の儀がとり行われたのは、平成5年6月9日。両陛下は今年、ご結婚28年の節目を迎えられました。平成15年、錫婚式にあたるご結婚満10年、平成25年、磁器婚式にあたるご結婚満20年、平成30年、銀婚式にあたるご結婚満25年に公開されたおことばでは、お互いに信頼し、尊敬や尊重するお気持ちを大切になさっているのが印象的でした。

結婚記念日は年ごとによってその呼び方もさまざまですが、夫婦の関係は、月日と共に値打ちが増していくと考えられています。これからも仲睦まじく、30年目の真珠婚式、35年目の珊瑚婚式、40年目のルビー婚式……を迎えていただきたいですね。

今回は、両陛下のあゆみを、歌に詠まれた情景や彩りとともに、振り返ってみましょう。

令和3年の歌会始の儀 写真提供/宮内庁
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■平成6年「波」

皇太子妃殿下となられた雅子さまがはじめて歌を詠まれたのは、ご結婚から半年を過ぎた平成6年の歌会始でした。この年のお題は「波」。両殿下(当時)はおふたり揃って、琵琶湖の情景をお詠みになりました。

我が妻と旅の宿より眺むればさざなみはたつ近江の湖に
君と見る波しづかなる琵琶の湖さやけき月は水面おし照る

平成5年撮影 photo by gettyimages

ご結婚後間もない平成5年8月、両殿下は全国農業青年交換大会のために滋賀県を訪問され、琵琶湖畔に佇む彦根プリンスホテル(現・彦根ビューホテル)にご宿泊されました。レイクビューのお部屋からは、美しい琵琶湖をのぞむことができます。眼下に広がる琵琶湖は、穏やかなさざなみがたち、明るく清々しい月の光が水面を照らしています。琵琶湖の深い青と月の光が美しいコントラストを描き、穏やかな夏の夜の情景が目に浮かんくるようです。

宇宙の神秘を連想させる深い青は、副交感神経を刺激し、脈拍や呼吸数を減少させるため、心を落ち着かせる沈静色として知られています。この色を選ぶ人は、深い洞察力があり、物事の表面ではなく、本質をとられることに長けているといわれます。おふたりの感性の豊かさが感じられますね。

雅子さまが度々お召しになるロイヤルブルー photo by gettyimages