経産省が提出した「驚きのレポート」、じつは日本経済「大転換」の予兆かもしれない…!

村上 尚己 プロフィール

もちろん、この政策提言が政権運営にどう影響するかは確実だとは言えない。だが、仮に首相官邸が経産省の主張をとりいれて、財政政策を運営することになればどうなるか。

米国経済は新型コロナの被害が大きかったが、ワクチンの早期普及と財政政策の後押しで、2021年には+6%を超える高成長で回復すると筆者は予想している。一部品目では価格の大幅上昇や需給逼迫が見られるなど、強力なマクロ安定化政策の効果がはっきり出ている。

一部での価格上昇と経済全体のインフレ率は分けて考える必要があるが、それでも米国では財政金融政策がしっかり発動されたため、コロナ禍直後に意識されたデフレリスクがほぼ払拭されるなど、大きな政策効果があった。

デフレ期待が依然根強い日本において、米国のように財政政策のレジームを転換させる政策発動が実現すれば、大きな効果を発するだろう。実際には、伝統的な考えが重視され緊縮的な財政政策姿勢が続く可能性は依然高く、財政政策が大きく転換する可能性は私見では20%程度と見込んでいる。

 

ただ、冒頭で紹介したように、G7での各国と経済成長を継続させることにコミットしているなど、早期に緊縮方向に転じかねない財政政策運営を根本から変える土壌は整いつつあるかもしれない。

いずれにしても、最終的には、政治リーダーの決断次第である。ところで、2012年末にアベノミクスが発動された経緯を振ると、同年にFRB(米連邦準備理事会)が2%インフレ目標を正式に掲げたことで、日本銀行が最後に2%インフレ目標を受け入れざるを得ない状況になっていたことが、その後の日本銀行の政策転換に大きく影響した。

今後、政治決断によって日本の財政政策のレジームが変われば、それはアベノミクス発動で日本株が大きくアウトパフォームした2013年以来となる、日本株市場に大きな追い風になる可能性がある。今後の総選挙を控えて、そうした展開に筆者は淡い期待を抱いている。

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